LINE、立ち入り検査の報道に反論。課金アイテムは「法令逃れではない」

LINEのスマホゲームをめぐって関東財務局から立ち入り検査を受けたと毎日新聞が報道したが、LINEは一部反論している。

LINEのスマホゲームをめぐって関東財務局から立ち入り検査を受けたと毎日新聞が報道したが、LINEは一部反論している。

毎日新聞は4月6日付朝刊で、無料通話アプリ大手「LINE」(東京都渋谷区)がスマホ向けゲーム「LINE POP」で使っていた課金アイテムが法令違反の疑いがあるとして、関東財務局が立入検査をしたと、報じた

LINEは同日、公式サイトで事実関係を一部否定するコメントを発表した

iPhone用の「LINE POP」の画面。iTunesの紹介ページより

■毎日新聞「通貨の疑いで立ち入り検査」と報道

毎日新聞によると、資金決済法では、あらかじめ代金を支払い、商品やサービスの決済に使うものを「前払式支払手段」と規定。商品券やプリペイドカードのほか、オンラインゲームで「通貨」として使われるアイテムなども該当する。発行会社の破産で使用不可能になるなどの事態に備えて、未使用残高が1000万円を超える場合は半額を「発行保証金」として法務局などに供託し、利用者保護を図る義務がある。

今回、関東財務局の検査対象となったのは、2012年にサービスを開始した人気パズルゲーム「LINE POP」。ここで使われるアイテム「宝箱の鍵」だ。「宝箱を開ける」用途以外に、使用数に応じてゲームを先に進めたり、使えるキャラクターを増やしたりできる仕様だった。鍵1本当たり約110円相当で、2015年5月当時の未使用残高は約230億円。長期間使っていない利用者分を除いても数十億円の供託を求められる可能性があったという。

アイテムが「通貨」であれば資金決済法に基づき財務局への届け出が必要だ。2015年にLINE社内でも「通貨に当たる可能性がある」と指摘が出ていたが、アイテムの用途を制限するなど仕様を変えることで「通貨に該当しないという説明が可能」と同社は判断。7月に仕様を変更し、財務局には届け出なかったという。

関東財務局は2016年1月、資金決済法に基づく検査を開始。金融庁のガイドラインなどで定められた社内の管理態勢などが不十分だった疑いもあるとみて、他のゲームも含めて資料を提出させ分析を進めているという。

■LINEの反論「規制逃れではない」

この報道に対して、LINEは「一部報道内容に関する当社の見解について」という発表で事実関係を一部否定した。

まず、資金決済法の規制逃れを指摘された件については「規制の適用を意図的に免れ、同法に基づいて必要とされる供託を逃れようとしたかのような報道がなされましたが、そのような事実は一切ございません」と全面的に否定した。

ただし、「宝箱の鍵」が「通貨」に該当するか否かに関しては、「法令上も行政実務上も判断基準が明確でない」として、関東財務局と協議中だと認めた。

また、関東財務局から立ち入り検査を受けていることも認めたが、課金アイテムの事業者に対して「数年に一度定期的になされているもの」として、「宝箱の鍵」が「通貨」に当たるという疑いから検査を受けたものではないと説明している。

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