お笑い芸人、俳優の前田健さんが44歳の若さで突然死した原因について、所属事務所は「虚血性心不全」と発表した。時事ドットコムニュースなどが報じた。
公益財団法人「日本心臓財団」によると、虚血性心不全とは、心臓の筋肉に血液を送り込む血管が狭くなったり閉塞したりして血液が十分に届かなくなることによって収縮力が弱まり、全身の臓器に必要な血液量を送ることができなくなった状態。前田さんは周囲に不整脈の持病があると話していたという。
虚血性心疾患とは
心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この収縮・拡張する心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
虚血性心疾患とは、この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞したりして心筋に血液が行かなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です。(中略)なお、心筋虚血により心筋の収縮力が弱まると心不全状態になります(虚血性心不全)。また心筋虚血により心室細動など致命的な不整脈を引き起こすことがあります。
(公益財団法人「日本心臓財団」より)
また、東京都監察医務院は、虚血性心疾患の因子について以下のように解説している。
虚血性心疾患の三大危険因子は高血圧、糖尿病、高脂血症(総コレステロールや中性脂肪の高値)であり、これに喫煙、肥満、食事、運動不足、情動ストレスなどが加わるとされています。生前に自覚症状があった場合は、診断後の治療によって病変の進行はある程度食い止められたかもしれません。
一方、前田さんは、路上で倒れた4月25日にテレビ朝日の番組「金曜★ロンドンハーツ」の収録でリレーなどの運動をしていたことがわかっている。スポニチなどによると、テレビ朝日の吉田慎一社長は26日の定例会見で収録時の様子について説明。前田さんは収録途中で自ら「体調が悪い」と訴え、医務室に相談に行っていたことを明かした。放送については未定としている。
前田さんはこの日、栃木県内の競技場で、午前9時から午後3時半頃までテレビ朝日のバラエティー番組「ロンドンハーツ」の「スポーツテスト」の企画で、“オネエタレント”の仲間たちと50メートル走、走り高跳び、腕相撲、リレー、走り高跳びなどを行ったという。前田さんは不整脈の持病があったが、同局側は「前田さんのほうからは説明はなく、持病などについては把握していなかった」という。午前中に50メートル、走り高跳びの競技に挑戦した後、昼休憩で「ちょっと体調が悪い」と自らの足で医務室に相談に行き、持病についての説明を行ったという。
(スポニチ 「前田健さん 最後の収録、テレ朝『ロンハー』の放送は未定」 2016年4月26日 15:31)