不当な労働をさせられる「ブラックバイト」の問題について、厚生労働省は5月18日、高校生を対象にした調査結果を発表、高校生でも3割以上がアルバイト先でトラブルを経験していたことがわかった。
この調査は2015年12月から2016年2月にかけて同省のセミナーに参加した高校生を対象に行われ、アルバイトを経験したことがある1854人から回答が集まった。32.6%で何らかの労働条件上のトラブルがあったとしている。
「労働条件についてどのように知りましたか」との質問に対しては、そもそも具体的な説明がなかったとする回答が18%にのぼることがわかった。「口頭のみで知らされた」「書面を見せられた(持ち帰りは不可)」との回答と合わせて約60%が、勤務開始前の時点で労働条件通知書等の交付を受けずに働いている実態が明らかになった。
回答があった主なトラブルの内容は以下の通り。
<労働基準関係法令違反のおそれがあるもの>
・1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった 4.8%
・働いた時間分の全てがアルバイト代として計算されていない 3.8%
・準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった 3.8%
・1日8時間、1週 40 時間を超える労働について、割増賃金が支払われなかった 3.4%
・ 本来禁止されている深夜労働・休日労働をさせられた 2.2%
・商品やサービスの買取を強要された 1.1%
<その他労使間のトラブルと考えられるもの>
・ 採用時に合意した以上のシフトを入れられた 11.2%
・ 採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた 8.8%
・ 一方的に勤務シフトの変更を命じられた 7.0%
・ 一方的にシフトを削られた 5.8%
・ 給与明細書がもらえなかった 5.0%
このアンケートでは高校生に対して、労働基準法で知っている項目についても尋ねた。その結果、雇用者側による減給に制限があることについては15.7%の高校生が知らなかった。厚労省はパンフレットなどを配布して啓発を進めるとしている。
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