アメリカのコネティカット住む女性ジョジ・アポンテさんは5月中旬、イースタンコネチカット州立大学で卒業証書を授与された。その時、彼女にとってとても大切なゲストが1人、彼女を激励するために出席していた。彼はアポンテさんが5歳のときに命を救った警官だった。
1998年6月25日、警察官のピーター・ゲッツさんは5歳のジョジ・アポンテさんを火事から救い、同僚が病院まで急いで車を走らせる間、パトカーの中で心肺蘇生を行った。
地元紙「ハートフォード・クーラント」によると、ゲッツさんはコネチカット州ハートフォードの火災が起きたアパートに着いた直後に、消防士から5歳の少女を引き渡されたが、彼女は反応がなく、灰にまみれていた。
救急車を待つ時間はなかったので、ゲッツさんはアポンテさんをパトカーの後部座席へ運んだ。そしてすぐに心肺蘇生を行い、同僚は病院まで車を走らせた。
心肺停止状態だったアポンテさんは、緊急救命室に到着するまでには自力で呼吸できるようになっていた。
アポンテさんは「私はもう少しで死ぬところでしたが、もう一度生きるチャンスをもらったんです。それはゲッツさんとあの日助けに来てくださったすべての方々のおかげです」と「ハートフォード・クーラント」に語った。
「もしゲッツさんが救急車が来るのを数分待っていたら、私は死んでいたと言われました」
ゲッツさんはアポンテさんが回復した後も病院を訪ね続けた。一緒にアパート火災に遭った彼女の叔父がやけどで亡くなった後には、アポンテさんにテディベアを持って行った。
ゲッツさんは「ハートフォード・クーラント」にこう語った。「別に驚くような話ではありませんが、それが人の心を動かし、人の心に留まるのでしょうか。消防士は消防士の仕事を、私は私の仕事を、病院のスタッフは病院のスタッフの仕事をした。それが結果的に、若くて素敵な女性をこの世界に留まらせることができたのです」
ゲッツさんはCNNに、アポンテさんが学生でいた間、「数年間成長を見守りました」と語った。やがてアポンテさんが家族と共に引っ越すと、連絡は途絶えた。
アポンテさんは2年前、火事から自分を救うゲッツさんの写真をネット上で見つけ、ゲッツさんと再び連絡を取るようになった。アポンテさんはゲッツさんにメッセージを送り、2人はそれから連絡を取り続けている。
「ゲッツさんは私を救出し、抱えて連れ出してくれました。とても感謝しています。私たちはいつもゲッツさんのことを守り神と呼んでいるんです」とアポンテさんは地元放送局WFSBに語った。
アポンテさんが卒業するときに、彼女の家族とゲッツさんが同席し、彼女を激励したのはごく自然な成り行きだった。
「卒業式の招待を受けたとき、なんだか胸がいっぱいになりましたね」とゲッツさんはテレビ番組「インサイド・エディション」で語った。「彼女は本当によく頑張りました」
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。