プロボクシングの元世界ヘビー級王者モハメド・アリ氏が6月4日、アメリカ・アリゾナ州の病院で死去した。74歳だった。NBCニュースが速報で報じた。
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アリ氏は1942年1月17日、ケンタッキー州ルイビル生まれ。1960年、ローマオリンピックのボクシングライトヘビー級で金メダルを獲得した。その後プロに転向し、1964年ソニー・リストンを破り世界ヘビー級王者となる。公民権運動の活動家マルコム・Xとの出会いからイスラム教に改宗し、本名もカシアス・クレイからモハメド・アリに改名した。政府や社会を批判する言動がエスカレートしたことから世界王者のタイトルを剥奪され、およそ4年間にわたって試合を禁じられた。しかしその後も2度にわたって王者に返り咲き、通算19度の防衛に成功した。1976年には日本でプロレスラーのアントニオ猪木と対戦する。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と形容された流麗なフットワークと切れ味鋭いジャブを駆使したボクシングスタイルで観客を魅了した。また、相手を挑発したり大言壮語を繰り返す言動から「ほら吹きクレイ」とあだ名された。
1981年、トレバー・バービックに敗れて引退。試合のダメージが原因とみられるパーキンソン病にかかり、長年闘病していた。1996年のアトランタオリンピック開会式では、聖火台の点火者を務めた。
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