都知事選「後出しジャンケン」定着で都民が困ること(図解)

他の候補の動きをにらみながら告示ギリギリに表明する駆け引きが恒例となりつつある。

舛添要一知事の辞職に伴う東京都知事選(7月14日告示、31日投開票)は、告示まで1カ月を切った6月21日時点でも、有力な立候補予定者が現れていない。

それもそのはず、歴代4人の知事は、いずれも初当選のとき、立候補の正式表明が主要候補の中で最も遅かった。有力候補の名前が新聞などで報じられ始めると、他の候補の動きをにらみながら告示ギリギリに表明する駆け引きが恒例となりつつある。

都知事選「後出しジャンケン」の歴史を振り返ってみた。(写真はいずれも時事通信社)

出馬表明をギリギリまで遅らせることは、もともと知名度の高い候補にとって、出馬表明への驚きの「鮮度」を保ち、対立候補からの批判やネガティブキャンペーンにさらされる時間を少なくするメリットがある。

ただ、有権者には、政策を吟味する機会が少なくなるというデメリットもある。

それが顕著だったのは、猪瀬直樹知事の突然の辞任で急遽実施された2014年の知事選だった。東京青年会議所などは、告示5日前に公開討論会を予定していたが、「準備不足」などを理由に、主要候補4人のうち1人しか参加要請に応じず中止になった。告示前日に日本記者クラブが開く予定だった主要候補4人の共同会見も流れ、個別会見になった。

歴代3人が任期途中で辞任した東京都知事。2016年知事選は、参院選投開票の4日後に告示される。立候補予定者は、有権者に十分な時間を用意してくれるだろうか。

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