トルコ人アーティストのガリップ・アイの素晴らしい作品は、数秒で消えてしまうこともある。しかし、インターネットのおかげで、今では彼の作品を永久に記憶に残すことができる。
アイが水面にフィンセント・ファン・ゴッホの代表作2点をきめ細かに描き出す動画の再生回数は、2500万回を超えている。
最初にアイは、トルコの伝統工芸エブル(水に浮かぶ絵具を紙に写しとる)の技法を使って、1889年に発表されたオランダの後期印象派画家ゴッホの代表作「星月夜」(ほしづきよ)を描き出した。
数分で最初の作品が完成したが、アイはさっとかき回してすべてを消してしまう。
そしてまた最初からやり直し、まったく同じ手法を用いてゴッホの代表作の自画像を描き出す。
ゆっくりとではあるが確実に、ゴッホの有名な自画像が出来上がっていく。
アイはこの作品を完成させた後、永久に残るような形をとることにした。
そこで、エブルの技法に忠実に従い、水面に紙を置き、見事な作品が紙に転写された。