【ダラス警官狙撃事件】ロボット爆弾に爆殺された容疑者、単独犯か

ジョンソン容疑者は「白人を殺したい、特に白人警官を殺したいと思っていた」と語っていたという。
ASSOCIATED PRESS

・アメリカ・テキサス州ダラスで7月7日夜に発生した警官狙撃事件で、ダラス警察はアフガニスタンへの従軍経験がある退役陸軍軍人ミカ・ザビエル・ジョンソン容疑者(25)を狙撃事件の容疑者と特定した。

・国土安全保障省は、狙撃がジョンソン容疑者による単独犯だったと断定

・ジョンソン容疑者は最近起きた警官の黒人男性射殺事件に憤りを感じており、「白人を殺したい、特に白人警察官を殺したい」と周辺に漏らしていたとダラス警察署長が話した。

・警察はジョンソン容疑者と交渉しようと試みた後、彼を殺害するためロボット爆弾を爆発させ、容疑者を爆殺した。

・バラク・オバマ大統領はこの襲撃を「悪質で、卑劣で、計算されている」と述べた。

ミカ・ザビエル・ジョンソン容疑者(25)

アメリカ・テキサス州ダラスで7月7日、一連の黒人男性射殺事件に抗議するデモの最中に警戒にあたっていた警官が相次いで射殺された。この襲撃事件は2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件以降、警察にとって最悪の犠牲者を生んだ事件となった。

ルイジアナ州バトンルージュで5日朝殺害されたアルトン・スターリングさん、ミネソタ州セントポール郊外で6日殺害されたフィランド・カスティールさんを追悼し、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」と人々が抗議していた最中に、「待ち伏せ」する形で少なくとも1人の狙撃犯が5人の警官を殺害。ダラスにも動揺が広がった。少なくとも7人の警官と2人の市民が襲撃で負傷し、警官がルイジアナ州とミネソタ州で発砲事件を起こす暴力に満ちた1週間を最悪の形で終えた。

狙撃犯のミカ・ザビエル・ジョンソン容疑者(25)は、銃撃戦の最中に殺害された。他の容疑者とみられる3人は、8日現在も拘留中。国土安全保障省は狙撃はジョンソン容疑者による単独犯で、テロ組織の関連はないと断定した。一方、警察が拘束した男女3人は黙秘を続けており、容疑者との関連性は不明だ。

ジョンソン容疑者は2009年から2015年まで陸軍に勤めていた。ダラス警察のデイビッド・ブラウン署長は、「ジョンソン容疑者が白人警官が黒人男性を殺害した事件に憤りを感じていると(周辺に)話していた」と述べた。ブラウン署長はさらに、ジョンソン容疑者が周辺に「白人を殺したい、特に白人警官を殺したいと周囲に漏らしていた」と付け加えた。

警察は数時間にわたってジョンソンと交渉した。銃撃戦の後、警察はロボットを利用して爆弾を仕掛け、ジョンソン容疑者を爆殺した。

2015年、ダラス警察は爆発物が仕掛けられたとみられる装甲車両に接近するため、写真のロボットを使用した。

8日正午、ダラスのダウンタウン中心部にあるサンクスギビング・スクエアに人々が集まり、祈りを捧げて宗教を超えた追悼集会を開いた。

「最後に3つのものが残ります。信頼、希望、そして愛です。今の私たちにはこの3つが必要です」と、ダラス市のマイク・ローリングズ市長は話した。「私たちはお互いやお互いの組織を信頼しなくてはなりません。明日は良い日になると希望を持たなくてはなりません。そうすればきっと良い日になります。そして私たちはお互いを愛さなくてはなりません」

ダラス警察のデビッド・ブラウン署長もに参加

ダウンタウンで行われた宗教を問わない追悼集会に多くの人が集まった。

ダラス高速運輸公社チームのブレント・トンプソンさん(43)、そしてダラス警察のパトリック・ザマリパさん(32)、マイケル・クロールさん(40)、マイケル・スミスさん(55)が銃撃で死亡した。他2人の警官が射殺されたが、身元は判明していない。

ブラウン署長は「私たちは傷ついています。私たちの職業が傷つけられているのです」と述べた。「ダラスの警官が傷つけられています。私たちは心を痛めています。この街で発生した残虐な行為に言葉が出ません」

ローリングズ市長は8日、ダラスのダウンタウンは今後も「犯罪多発地域」とに指定すると述べ、市内の危険地帯について随時最新情報を確認するように指示した。

バラク・オバマ大統領は、NATO関係者との会合に参加していたポーランドのワルシャワから銃撃について発言した。

オバマ大統領は「警察に対する、卑劣で悪意に満ちた計画的な攻撃だ。こうした攻撃は正当化できない」と語った。また、「すべてのアメリカ人がとてつもない恐怖に襲われていると思う」とも述べた。

この夜のデモはすべて平和的なものであった。ダラス警察署のTwitterアカウントからは、老若男女問わず団結する姿や、上院議員を含むデモ参加者と一緒に警官が写った写真が投稿されている。

最近の警察が関わった銃撃に抗議するデモのために、男性、女性、少年少女がベロ・ガーデンパークに集まった。

ベロ・ガーデンパークの抗議デモにて、ロイス・ウエスト議員とダラス警察のアンダーソン警部。

7日、ダラスで発生したスナイパーの狙撃事件後に逮捕者が出る中、警察は群衆の鎮静化を図る。

襲撃の映像には、数十人の警察官が、駐車場など、ダラス繁華街の数カ所の建物に集まる様子が映し出されている。別の映像では、サイレンが鳴り響く中、数発の銃声が聞こえる。

ダラスのアリソン・グリスウォルド検事はハフポストUS版に、「銃声はいつまでも鳴り止みませんでした」と述べた。彼女は自宅のリビングルームの窓からこの狙撃現場を目撃し、動画をTwitterに投稿した。「しばらくしてから、人々が逃げ惑う中、警官たちは銃撃現場の方に走っていくのを見ました」

とても恐ろしい。

ローリングス市長は、警官を狙撃で失い「残念に思う」と述べた。「警察官は日々、命を危険にさらしているといっても過言ではありません。これは事実なのです」と述べた。「私たちは、街として、国として、一致団結し、この傷を癒していかなければなりません。言葉は重要ですが、今はリーダーシップが重要な時です」

ローリングス市長はCNNに対し「(警官たちは)お互いのために危険を冒すでしょう」と語った。「脚を撃たれたある警官はとても嘆き悲しんでいました。撃たれたからではありません。周りにいた仲間の警官たちが銃で倒れるのを目撃したからです」

テキサス州のグレッグ・アボット知事は声明の中で、自らの考えと犠牲者に対する追悼の意を述べた。「このような時には、アメリカ人として団結することの重要性を思い出し、それを際立たせなければなりません」

オバマ大統領は8日、この銃撃の被害者への敬意の印として、7月12日まで半期を掲げるように指示した。また、ヨーロッパ訪問の日程を切り上げ、緊急帰国するとホワイトハウスが発表した。

記者会見では、司法省のロレッタ・リンチ司法長官が団結を促した。

リンチ司法長官は「私たちは今後もコミュニティの中で信頼を築き、この国ではすべての人が法の下で平等であると保証していかなければなりません」と述べた。「バッジを付け、日々危険な任務に就く警官のみなさんに深く感謝します。この惨劇で私たちは心を痛めました。アメリカ合衆国司法省は今後、みなさんを支えるためにできる限りのことを行います」

「今日からの日々、私たちは1つの国家、そして1種類の人民として、一致団結します」と、リンチ司法長官は述べた。

狙撃事件が発生した後、粉々にくだけた店のガラス

7日には数百人の人たちがダラスに集まり、今週発生した2件の警官銃撃事件(ルイジアナ州バトンルージュにあるコンビニエンスストアの外でアルトン・スターリングさんが射殺された事件、そしてミネソタ州で車両停車中にフィランド・カスティールさんが射殺された事件)に抗議した。

抗議者たちはサインを掲げて、「正義なくして平和はない」や「手を上げたら撃つな」など、警官の蛮行に対し黒人の命の大切さを訴える運動でよく聞かれる言葉を繰り返した。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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