7月31日に投開票される都知事選。有力候補者は、こぞって待機児童問題の解消を訴えている。しかし、それぞれの政策に決め手となる具体策は書かれていないように思える。
子育てしながら働く世代は、今回の都知事選にどう向き合えばいいのか。ハフポスト日本版は、2月中旬に匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」が大きな反響を呼んだ「保育園落ちた人」に再びメールインタビューをした。匿名ブログで「保育園増やせよ」と本音を吐露した30代前半の母親がいま、都知事に望むことは——?
何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
何が少子化だよクソ。
子供産んだはいいけど希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。
不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。
オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。
(保育園落ちた日本死ね!!!より 2016/02/15)
2月15日に投稿された匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」より
■都知事選は「ただ不満を溜めるだけでなく実際に声を上げ行動する」機会
——今回の都知事選、投票しますか?
投票します。
——前回のインタビューで「ただ不満を溜めるだけでなく実際に声を上げ行動する事の大切さが分かった」と声を寄せてくれましたが、今回の選挙は、子育て世代にとって、その機会になるでしょうか?
なると思います。
■待機児童、保育士の待遇改善「具体策が聞きたい」
——有力3候補者は、待機児童や保育士の待遇改善などの政策を掲げています。その内容についてどう感じますか?
個人的には保育士の待遇改善が最優先だと思っているのですが、みなさん「待遇を改善する」という事は言うのですが具体的にどの位改善するという事は言っていないんですよね。
極端な事を言うと賃金が100円上がったとしても「改善された」という事になりますし。全産業平均よりも10万円も賃金が低い現状からこの位まで改善させる等、具体策が聞きたいですね。
隠れ待機に関してはもっと前に国も自治体も把握してたとは思うんですよね。ただ、公式な待機児童の数に含めるのに条件を設けていただけで。
数値を低く見せてごまかすのではなく、きちんと現状を把握して早急に問題を解決して欲しいと思っています。
■保育園「どこでもいいから預けたいという人はいない」
非常に難しい問題だと思います。
正直この問題に関して(区などの)自治体が対応するのは限界ではないかと感じております。もう少し積極的に国や都が間に入って問題を解決に繋げていってほしいと思っています。
——また都内の認可外保育園で3月、生後6カ月の女児が亡くなる事件も起きてしまいました。保育の数を増やすだけでなく、安全に預けられる保育施設が重要でしょうか。
子供を持つ親はどこでもいいから預けたいという人はいないと思います。まず「安全」が確保されている事が前提だと思います。
現状だと規制緩和等で受入数を増やしていく事には反対です。
——新しい東京都知事に望むことは?
都知事としてきちんと仕事をしてほしい。
——他に何かお考えがあれば、どうぞお聞かせください。
現状だと誰に投票するかはまだ決めていません。
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【有力候補者、子育て関連の政策】
以下に、有力候補者の子育て政策を届け出順に紹介する。
(左から)鳥越俊太郎氏、増田寛也氏、小池百合子氏
■鳥越俊太郎氏
・保育所の整備をはじめ、あらゆる施策を通じて、待機児童ゼロを目指します。
・保育士の給与・処遇を改善します。
・すべての子どもに学びの場が提供できる環境を整えます。
■増田寛也氏
1.「待機児童解消・緊急プログラム」を策定し、8000人の待機児童を早期解消
2.妊娠・出産・産後・子育てを切れ目なく支援する「子育て世代包括支援」の構築
3.女性活躍を推進。仕事と生活の両立を目指して働き方を改革
■小池百合子氏
1.女性が健やかに希望を持って、生き、学び、働き、愛し、子供を産み、育む社会を実現する。
2.「待機児童ゼロ」を目標に保育所の受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直す。保育ママ・保育オバ・子供食堂などを活用して地域の育児支援態勢を促進する。
3.あらゆる都内遊休空間を利用し、保育施設、介護施設不足を解消。同時に、待遇改善等により保育人材、介護人材を確保する。
(政策| 小池ゆりこ公式サイトより)
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