情報の透明性を徹底するために、個人情報やレイプ被害者の実名を暴露したり、電子カルテの内容を公開する必要はない。
しかし、政府機関の機密情報を公開するウェブサイトとして知られているウィキリークスは、そんなことにこだわらない。
それどころか、何百人もの罪なき人々の極秘情報を公開しているウィキリークスの悪事を暴いたAP通信の報道に対し、AP通信は不当な扱いをしているとか、記事が述べている情報については「すでに公開されている」ものだと主張し、問題から注意をそらしたいようだ。
AP通信の調査報道によると、ウィキリークスは今回、パスポート、学業成績、雇用といった犯罪者が欲しがるような個人情報などを含む500件以上のファイルに加えて、サウジアラビアでゲイと公表された男性(同国では死刑に値する)についての情報をアウティング(本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性自認を暴露する)し、ティーンエイジャーのレイプ被害者の実名を挙げ、花嫁の性経験の有無を示す婚姻証明を発表し、HIV患者のパートナーを持つ人々の身元について情報を公開している。
ウィキリークスは、報道に対してツイッター上で反撃した。
アメリカの大手メディアは勝利が確定した#クリントンを支持しようと先を争っている。我々の情報公開が続く限り、今日のAP通信のような使い古された攻撃をより多く受けるだろう。
ウィキリークスは、一連の個人情報は「すでに公開された」内容だと主張した2度目のツイートで、文書は2015年に一度公開されているものであり、アメリカの大統領選のために表面化したものだと説明した。しかしそうではない。2つの文書は大きく異なっている。
ウィキリークスの創始者、ジュリアン・アサンジは2016年2月5日より難民保護を受けているロンドンのエクアドル大使館のバルコニーからスピーチを行った。
ウィキリークスは業務を引き受けたメディアパートナーのサポートを受け、過去に機密情報の編集を行っていたと、外交専門誌の「フォーリン・ポリシー」が指摘している。
2011年、ウィキリークスが膨大な外交電報を公開した後、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジはPBSに対し、「被害を受ける恐れがある罪のない人々が傷つくのは望んでいない」と語った。
それはもはや、ウィキリークスにとっては懸念事項ではないようだ。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
▼画像集が開きます