「アメリカ留学に迷っている?Just do it ! 」ケネディ駐日大使が日本の若者に伝えたいこと

ケネディ大使が日本の若者に語る熱い言葉。
The Huffington Post

日本からアメリカへ行く留学生が減っている。お金もかかるし、帰国したあとの就職も不安。それでも、アメリカ留学ってやっぱり大事ですか?留学生増加プロジェクトを進めている、キャロライン・ケネディ駐日大使に直接聞いてみた。

——ケネディ大使を始め在日アメリカ大使館はアメリカへの留学を推進する「A Broader View」プロジェクトを実施しています。なぜですか

海外で学ぶ学生の背中を「後押し」したいからです。当然、アメリカに来てもらいたいのですが、アメリカに限らず、さまざまな国で学ぶことは貴重なことです。違う立場や国の人と一緒になって世界の課題に立ち向かう市民の育成にもつながります。自分自身のことだけでなく、自分の国のことも学べますので、学生自身だけでなく、母国にとっても重要な投資になるはずです。

——大使ご自身も1975年にロンドンで美術の勉強をされました。海外で学ぶ経験はいかがでしたか

住み慣れたところや家族から離れて暮らすことに不安もありましたが、気づけば友人がたくさん出来て、やりたいことや見たいことも増えましたね。私の人生の中で最も大事な決断のひとつだったと言えます。当時出会った人とは今でも友人ですし、(アメリカにいたら)出来なかったこと、やらないことにも挑戦できました。帰国したときは自信に満ちていました。

——海外で学ぶことを決断するにあたって、ご両親(ジョン・F・ケネディ元大統領とジャクリーン夫人)の影響はありましたか

両親とも海外で学びました。私たちの家族にとって、留学は良いことと考えているのでしょうね。私も3人の子どもがいますので、多くの親や保護者にとって、子どもを海外に留学させることが不安なのもわかります。アメリカは安全ですし、良いところですので、心配することはありません。子どもたちが喜ぶ姿はご両親にとっても嬉しいのではないでしょうか。

——日本人の海外留学者数は2004年に8万人を超えていましたが、いまは5〜6万人になっており、減少傾向にあります。どうしてだと思われますか

費用の問題があります。お金がかかりますし、家族にとって大きな決断です。日本政府も支援策を用意していますので、いろいろと調べてみてください。(奨学金など)経済的な負担を軽くする各種制度があります。また、英語に対する自信がないという声も学生から聞かれますね。大使館でも、さまざまな支援事業を行っています。「行かない」理由を考えるとたくさんあるように思えるでしょうが、一度決断すれば、杞憂だと感じるのではないでしょうか。

——日本は新卒の一括採用など就職の制度が硬直化しています。留学してアメリカの卒業の時期に合わせれば、帰国が夏ごろになり、4月に新卒で会社に入るという日本の一般的なサイクルから外れてしまいます

そうした事情は把握しております。たとえば、夏休みなど短期での留学を選ぶこともできます。まずは旅行で海外を訪ねてみて、その後留学をするという形でもいいでしょう。無理のないやり方で挑戦をして欲しいですね。就職に関していえば、留学によってむしろ良い仕事に就ける機会は広がります。日本企業はグローバルな人材を欲しがっていますよね。就職にとって、必ずしも不利ではなく、むしろ有利だと思います。

——新興国の勢いが増し、世界にはかつての欧米国のような圧倒的リーダー国が存在しない「Gゼロ」の世界に突入した、という識者もいます。そのため、日本からアジア諸国に留学を希望する学生も多い。それでも「アメリカ」に留学する意義は変わらないでしょうか

可能な限り色々な所で勉強することは学生にとって大事なことです。海外留学はどこにいってもプラスになると思います。そのうえで、できればアメリカを選んで欲しいと思います。アメリカには様々な国から学生が訪れますし、大学のシステムも国としての強みのひとつです。

——ハフィントンポストはLGBTなど多様な声を大事にしてきたメディアです。アメリカ社会から学べることはなんですか

アメリカは多様性を重んじるところで、社会の強みのひとつです。世界各国から人が集まり、さまざまな性のあり方、宗教的なバックグランドを持った人で構成される社会です。自分はどのような生き方をするべきか。そうした問いを抱えている人にとって、アメリカではオープンな議論ができますし、建設的に自分の考えを深められるのではないでしょうか。

——アメリカ人自身も海外へ留学しているのですか

まだ十分ではないと私は思っています。インドネシアで暮らし、アジアなど海外で過ごすことの重要性を認識しているオバマ大統領にとっても、(海外留学生を増やすこと)は優先事項のひとつです。アメリカに世界のさまざまな国からきているのは確かですが、アメリカの外へ出るのは異なることです。アメリカや日本をはじめ、多くの国が「海外留学生」を増やすことで国際社会をより安全で、平和で、豊かにします。お互いの国のことを理解していれば、課題に対してともに取り組むことができるからです。

——最後に、留学を迷っている若者にメッセージを

Just do it ! アメリカにきてください。

インタビューの動画はこちらです。

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