中国は10月17日午前7時30分(日本時間8時30分)、有人宇宙船「神舟11号」を、北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げた。国営中国中央テレビが発射の成功を伝えている。
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神舟11号には、空軍パイロット出身の宇宙飛行士2人が搭乗しており、9月に打ち上げられた宇宙実験室「天宮2号」とドッキングして飛行士が乗り移り、実験室で様々な宇宙空間の実験をする。滞在予定は約30日で、中国史上で最も長い宇宙滞在となる。
■急ピッチで進む中国の宇宙開発
1992年に友人宇宙船の開発を中国が決めてから、初めて無人宇宙船「神舟1号」を打ち上げたのは1999年、初の有人宇宙船「神舟5号」は2003年のことだった。軍が主導する宇宙技術の開発は急ピッチで進んでいる。
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中国は、2022年までに独自の宇宙ステーションを軌道に乗せ、現在の国際宇宙ステーションが役割を終える2024年以降は「宇宙ステーションを持つ唯一の国になる」(宇宙開発を司る国営企業・中国航天科技集団公司の雷凡培代表)と表明している。
今回の「神舟11号」打ち上げは、独自の宇宙ステーション開発に向けて技術を高める狙いがある。
中国は2030年ごろをめどに「宇宙空間における大国の地位を確立する」という目標を掲げ、宇宙強国を目指している。インド訪問中の習近平・国家主席は「中国人の宇宙探査の歩みをより大きく、遠くに延ばし、宇宙強国建設に新たな貢献をするよう希望する」との祝賀メッセージを送った。