南スーダンの子供、200万人以上が避難民に 5人に1人の子供が住む場所を追われる

少なくとも10万人が現在飢饉に直面している。

国連児童基金(ユニセフ)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5月8日、3年半前に勃発した残忍な紛争から逃れるため、国内外で避難民となった子供たちが200万人以上いると発表した。国内避難民、周辺国に脱出した子供がそれぞれ100万人以上いるという。

南スーダンの約5人に1人の子供が、世界で最も若いこの国で猛威を振るう暴力の連鎖や混乱で、住む場所を追われている。

2011年7月9日にスーダンから分離独立した南スーダンは世界で最も新しい国家だが、サルバ・キール大統領とリヤク・マシャール副大統領の権力争いによって、2013年12月から内戦状態になっている。国内には飢饉が蔓延し、残った住民たちも深刻な食糧危機に直面している。

世界食糧計画(WFP)によると、南スーダンの人口約1230万人のうち100万人が飢饉寸前の状態に追い込まれている。さらに少なくとも10万人が現在飢饉に直面している。

キール大統領政権が支援するスーダン人民解放軍と元第一副大統領のマシャール氏に忠誠を誓う反政府勢力が断続的に衝突し、和平交渉は崩壊し続けている。

首都ジュバで2016年7月に270人以上が死亡した武力衝突が発生したあと危機は急激に高まり、1日に最大3000人がウガンダなどの隣国への脱出を余儀なくされた。ウガンダも破壊的な内戦からの再建が続いている。

紛争が悪化するにつれ、政府は繰り返し人道支援活動を妨害し、支援団体のスタッフを追放することもあった。UNHCRが3月に出した報告書の中で、政府軍と民兵は何の罰も受けずにに民間人を虐待し、「戦争犯罪を隠蔽するための隠れ蓑として、継続中の紛争を利用している」と非難した。

南スーダンの約5人に1人の子供が紛争によって住む場所を追われた。COURTESY OF UNICEF

南スーダンでは2016年9月以降100万人の難民が国から逃れた。それから8カ月も経たないうちに、南スーダンの難民の数は2倍近くになり、そのうち62%が子供だ。

何万もの難民の子供たちが家族と引き離され、さらに114万人の南スーダンの子供たちは国内で住む場所を追われている。

ユニセフの東部・南部アフリカ地域事務所レイラ・パッカラ氏によると、この急速な難民の大量流出は危機の深刻さを浮き彫りにしている。「将来世代が危機に瀕しています」とパッカラ氏は警告した。

内陸国である南スーダン国内に残った子供たちのうち、1000人以上が暴行を受け殺害され、約4分の3近くが学校に通っていない。国連は学校に通わない子供たちの割合が世界で最も高いと指摘する。また子供たちは軍に徴用されたり、性的虐待、搾取に遭いやすく、精神的ショックを抱えやすい。

UNHCRのアフリカ局長バレンティン・タプソバ氏は「現在、南スーダン以上に懸念する難民危機はありません」と警告した。「難民の子供たちがこの危機的状況の象徴になってしまうのは、極めて深刻な問題です。私たち、人道支援を担う人間はみな、彼らの命を救うため、今すぐ献身的で持続的な支援をするべきです」

ユニセフは2017年、南スーダンの難民を支援するため、1億8100万ドル(約205億円)の資金調達を目標としているが、わずか52%しか調達できていない 。支援する場合はこちらから寄付することができる。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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