トランプ大統領のメディア「攻撃」がヒートアップしている。5月29日、自身のTwitterで「フェイクニュース」という言葉を連発し、怒りをぶちまけた。
トランプ氏をめぐっては最近、娘婿のクシュナー氏がロシア側に極秘の通信ルート開設を提案した疑いが浮上している。
メディアによる批判の強まりに、いら立ちを隠せないようだ。
フェイクニュースメディアが、私のソーシャルメディアの評判を落とし、名誉を毀損している。なぜならメディアは国民が真実を知ることを望まないからだ!
トランプ氏のツイートには、怒りの感情があふれていた。この12時間前にも、メディアを批判するツイートを連発。
「でっちあげだ」「敵だ」などとメディアを強く批判した。
ホワイトハウスからのリークと報じられているものは、大体フェイクニュースメディアにでっちあげられた嘘であるという認識だ。
フェイクニュースメディアの報道の中で「ソースによると」と記載があって、そのソース名が言及されてなかったら…
それらは実際には存在せず、フェイクニュース記者によって作り上げられたものである可能性が高い。
フェイクニュースは敵だ!
トランプ氏は就任以来、自分に批判的な報道をするメディアを「フェイクニュース」と呼び、ときに名指しで「攻撃」してきた。ここにきて、そんな姿勢がさらに加速しているようにみえる。
原因は自身が関係する「ロシアゲート」疑惑だ。
1972年に当時のニクソン大統領を辞任にまで追い込んだ「ウォーターゲート事件」に由来して「ロシアゲート」とも呼ばれるこの疑惑は、大統領選挙におけるトランプ陣営とロシアとの不透明な関係性に対するものだ。
疑惑は身内にも「飛び火」。大統領補佐官を務める娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が政権発足前の2016年に、ロシア施設を使った極秘の通信ルートの開設をロシア対しに提案していた疑惑をワシントン・ポスト紙に報じられた。
このほど終えた初の外遊でも、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の演説で、有事の際に同盟国を防衛する意思を明確に示さなかったことで加盟国を失望させるなどして、国内外から厳しく批判された。
「ロシアゲート」疑惑については特別検察官が任命され、捜査が進められている。その進展次第では、政権運営に大きな影響を及ぼすのは確実で、トランプしにとっても落ち着かない日々がしばらく続くとみられる。