「小さい体で頑張ったね」退院する未熟児のために、かわいい卒業式をする病院がある

未熟児として生まれた赤ちゃんにとって、退院は特別なお祝いなんです。

(BELLA BABY PHOTOGRAPHY)

アメリカ・ノースカロライナ州ガストニアにある病院「キャロモントヘルス」では、新生児集中治療室(NICU)で過ごした未熟児の赤ちゃんが退院する時に、特別な「卒業式」をしている。

親たちにとって、生まれたばかりの我が子をNICUに入れるのはとてもつらい経験。だからこそ、退院して自宅に一緒に家に戻る時に喜んでもらいたい、という看護師の願いから生まれたアイデアだ。

卒業の日、赤ちゃんたちはとてもかわいい卒業帽子をかぶり、プロ写真家「ベラ・ベイビー・フォトグラフィー」から無料で写真撮影をしてもらう。

卒業式を考えだしたのは、NICUの看護師として働くメリッサ・ジョーダンさん。

ジョーダンさんは6カ月前、28週間で生まれてNICUに入った男の子の両親が、退院を祝って「NICU卒業生」と書かれたベビー服を着せているのを見て、退院日に何かお祝いができないかと考えた。

そこでジョーダンさんは、男の子のために小さな卒業帽子を作った。そして退院する日、NICUのスタッフでバイタミンCという歌手の卒業ソング「グラジュエーション(卒業)」を歌ってお祝いをした。

「両親は本当に嬉しそうに笑っていて、私も幸せな気持ちになりました。これからも、こんな風に両親を笑顔にし続けたいなと思いました」と、ジョーダンさんはハフポストUS版に語った。

メリッサ・ジョーダンさん

「未熟児のお母さんたちにとって、赤ちゃんを生んだ後に一緒に家に帰れないのはとてもつらいことなのです。だから退院日に特別なお祝いをして、自宅に帰るという日常をワクワクした気持ちで迎えて欲しいと思っています」

これまでに、双子3組を含む14人の赤ちゃんが卒業した。

ジョーダンさんは2カ月に一度、帽子をつくるための厚紙、のり、糸、房飾りを買いに行くそうだ。将来は「両親の夢や、子供にどう成長して欲しいのかを書き込めるようにしたいと考えています」とジョーダンさんは話す。

また、卒業写真をNICUの壁に貼って「卒業した赤ちゃんたち」の壁を作る計画もある。写真を通して、NICUの赤ちゃんの家族に希望を伝えられれば、とジョーダンさんたちは考えている。

卒業式は、赤ちゃんの両親からも好評だ。

ある両親は「1つの旅が終わり、新しい旅が始まるような気持ちになります」と語り、別の両親は「すごくいいアイデアだと思います。愛しい息子の頑張りが報われた気持ちになります。NICUで、息子は本当によく頑張りました。卒業帽子はその頑張りを祝ってくれます」と話してくれた。

ジョーダンさんは、頑張ってNICUを卒業した生まれたばかりの赤ちゃんたちの写真を通して、大勢の人に強さや希望を伝えたいと願っている。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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