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人のために料理することは、自分を豊かにする。メリットを調べてみた

この慌ただしい日々の中で、とくに家族を養っている場合には、料理をする時間をつくるのが難しい。だけど…
Mother and daughter having fun with the vegetables in the kitchen.
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Mother and daughter having fun with the vegetables in the kitchen.

この慌ただしい日々の中で、料理する時間をつくるのが難しい。とはいえ、とくに家族を養っている場合、日々の食事は欠かせない。もちろん、誰かのためにパンを焼くのは楽しいが、ときには料理が面倒に感じられることもある。

人は忙しいスケジュールをこなしながら、料理を日常にとりいれるための方法を常に探している。だから「つくりおきレシピ」や「鍋ひとつで夜ごはん」「2つの材料でできる料理」といった、簡単なレシピに人気が集まるのだ。

簡単なレシピも役立つが、これまでの視点で欠けていたのは、料理の真の効果なのかもしれない。調べてみたところ、誰かのために作る料理には、前向きな心理的メリットがあるらしい。この事実を知れば、私たちは以前よりキッチンに向かうのが楽しくなるだろう。

人のために料理をするのは利他主義的だが、それだけではない。

料理をすることもそうだが、他の人のために行動することは利他主義のひとつの形だ。そして利他主義は、人を幸せに、そして他人とつながっている気持ちにさせる。

「他人のために料理をする行為には、自信をつけたり自尊心を持ったりするのに大きな効果があります」と、医療ソーシャルワーカーで料理セラピストのジュリー・オハナ氏は説明する。「そして、(誰かを)すごく良い気分にする何かを(自分で)できる、ということが、自信につながっているのです」

人のために料理をすることは、育てることであり、生命を維持することであり、生きていくのを助けることなのだ。

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料理は育てること

「人に与える行為は、さまざまな形で私たちを満たします」と、レスリー大学のアートセラピー修士号を持つ料理セラピスト、マイシャル・アヴィシャイ氏は説明する。

「料理の場合はさらにそうです。なぜなら、料理は生きるために必要なことだからです。この充足感は、非常に原始的な意味で、人を『助けた』という事実からくるのです」

「生命を維持する食べものを、生き残るために必要なものを提供することで、人を助ける社会的な支援をしているのです」と、アメリカ科学財団大学院研究員であるマシュー・リッチオ氏はハフポストUS版に語る。

「そのような行為をすることは、信頼、コミュニティ、目的、帰属意識、親近感、そして親交を高めるのを助ける可能性があります。これらすべては幸福感の増幅、うつの減退、また一般的な健康状態の向上に関係しています」と、リッチオ氏は説明した。

マイケル・ポラン氏は、ザ・ボストン・グローブに対し、「料理は私たちに食事をもたらし、食事は私たちに文明をもたらした」という言葉で、最も適切に表現した。人とつながっているという気持ちは、長寿や高い幸福感などに非常に良い効果をもたらすという。

料理は絆を作り出す

「人のために料理をしている場合、その行為の最中に、その人がいなくても、あなたが愛を表現し、誰かを愛おしいと思うことで、ちゃんと親近感が生まれてきます」と、リッチオ氏は語る。

「それはとても親密な行為です。誰かに対して、その人が必要としている何かを提供することは、あなたがその人を支え、支援していることをちゃんと表していて、幸福感や前向きな成長、親近感といったものを、すごく高める種類の行動なのです」

人のために料理をすることは人間関係を築き、強める手助けになる。

「人のために料理をすることは、絆を作り出します。料理は心を満たす、また意義のある行為なのです」。料理セラピストであり、テルアビブ大学のボブ・チャペル社会福祉事業学部の博士であるアイエレット・バラック・ナウム氏はハフポストUS版に語った。

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料理は自己管理でもある

自分の生命を維持する行動と、時間をかけて食事を提供するのには意味がある。

「料理には自己管理の要素があります」。ノーサンプトン・カップル・セラピー・センターの医療ソーシャルワーカー、ネドラ・シールド氏は話す。「自分のために良い食べものや、自分を良い気分にする食べものを料理していると、料理は文字通り滋養に富んだものとなります。それは大切なことなのです」

自分のために料理し、より健康的な食生活を送ることは、外食をしないだけではなく、『自分は大切』というメッセージを自分自身に送ることになるのだ。

料理は自尊心と自身を高めるのにも役立つ

「対人的な問題を抱える子どもをサポートするとき、料理が彼らの自尊心を高めるのを見てきました」と、アヴィシャイ氏は話した。子供にとっても、料理は自信にるながる自己管理の一部だ。

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料理はマインドフルネスの実践

マインドフルネスの効果は、集中力の向上からストレス軽減、健康的なライフスタイルの促進まで、さまざまな領域に及ぶといわれれる。

「料理にしっかりと意識を集中することです」と、シールド氏は語る。

料理をしていると注意散漫ではいられない。集中力を失えば、すぐに物事が乱れてしまう。ちょっと目を離しただけで玉ねぎが焦げてしまうかもしれないし、携帯電話をチェックしているすきにパスタを茹でている湯が吹きこぼれてしまうかもしれない。

「キッチンで過ごす時間は、内省的になるのに適しています。すべての感覚が料理の経験に結びついており、記憶は嗅覚とつながっています。キッチンに立ち、料理をしているときに家族と昔よく食べていた料理の記憶が思い出されたりするかもしれません。そのような記憶はたくさんあります。だから料理は特に健康に良いのです」とオハナ氏はいう。

「料理の面白さのひとつは、蓄積してゆく効果があることです。それは自己管理であり、他人を慈しむことであり、身体的な配慮であり、マインドフルネスであり、自分自身と他人のための基本的な必要を満たすことです。人のために食事を作る行為には、実にたくさんのことが詰まっています」。シールド氏はこうまとめた。

……

やらなければならないのは、忙しい生活の中に料理を取り入れえる時間を見つけるだけだが、ひとまず必要なモチベーションは揃った。忙しいみなさん、料理するときはこのことを思い出してほしい。

ハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。

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