最初に白状します。
ごめんなさい、「黒歴史」出てきませんでした…。
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8月10日、KDDI広報部の西原由哲さんと中村玲子さんが、KDDI社内サークル「auおせっかい部」のポロシャツを着てハフポスト日本版に「出張訪問」してくれた。
同部が持参したのは、、完全放電や過放電したガラケーを再度充電することができる特殊な機械「バッテリーテスター」。
auは、自宅に眠っている携帯電話を復活させて過去の画像やメールを見て楽しんでもらったり、昔の写真を印刷してプレゼントしたりするイベント『おもいでケータイ 再起動』を全国で開催する。
8月18日〜20日のau名古屋店での実施を皮切りに、全国のKDDI直営店で順次実施予定。auの携帯に限らず、他キャリアの携帯電話でも対応可能だという。
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ハフポスト日本版でも、早速「携帯電話、復活の儀」を執り行った。
「中村さん、お願いします(ドキドキ)」
復活させるのは、デザインケータイとして人気を博したau機種「iida G9」。
使用していた時期は、2010年〜2011年ごろ。
事前に、やはり電源が入らない状態になっていることを確認。「完全に死亡してますね…」
G9のバッテリーを取り出し、バッテリーテスターに設置。
中村さんによると「通常の充電器で充電できる状態になるまでの最低限のパワーをチャージしてあげるイメージ」という。
「あれ、うまくいかない…」と焦ったりしながら、西原さん、中村さんの試行錯誤で何とか息を吹きかえしたG9。
5分ほど待つと、機械からレシートのような紙が出力され、「劣化品」と認定されながらも何とか電源が入ったことが通知された。
「いよいよ、電源を入れます。"黒歴史"が出てきたらどうしましょう…」
「あれ?」
「該当データがありません…?」
「あれれ?」
「メール1件。iidaからのお知らせ…のみ?」
「あれれれれ?」
申し訳ございません、全てのデータとメールが消去されておりました…。
電話帳も空っぽ。
全く記憶にないものの、自分で全て削除した模様…。自分で…。
この状況に対して西原さんは「こればっかりは再充電しないとわからないので」とフォローしつつ、「よほど全て消したい過去があったんでしょうか」とかなり遠慮がちにコメントしてくれた。
当時の携帯電話の仕様と使われ方を考えると、SDカードなどを使っていたとしても、電話帳や主なメール・画像データは本体に残っているのが普通だという。
「おもいでケータイ 再起動」。
かつての携帯電話の画像やメールが復活すれば「私はこんなことに興味があったんだ」「こんな人と仲が良かったんだ」という過去の自分との出会いを楽しむことができる。
一方で、データが空っぽであることに直面すると「私には全消去したい何かがあったんだ」という過去の自分に出会い、うすら寒くなるのである。
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見かねた中村さんが、自身の復活させた携帯電話を見せてくれた。
「基本的にあらゆる写真がmixi投稿用に撮られていますね」と話す中村さん。
「靴、2足買いしちゃったよ〜、の図ですねこれは」
「ホームパーティもmixiにアップ。iPhoneに比べて料理写真がカオスすぎますね」
「これは、、、夜景です。真っ黒ですね。当時の夜景写真って本当こんな感じでほぼ何も写ってなかったですよね。」
また、なつかしみが溢れる当時のメールも見せてくれた。
「デコメを送ると、絵文字が添付ファイルになってました」
「絵文字がキャリアごとに違ってましたよね。auの顔白い…」
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西原さんは、2016年7月に東京・新宿のauショップで同イベントを実施した際の様子を振り返り、「昔の携帯って本当に会話が生まれるんですよね。もう会えない人の写真を発掘して笑顔になる人、涙ぐむ人と様々でした」と話した。
また、格安スマホの登場など、消費者が様々な携帯電話の持ち方を選択できる時代において「携帯電話への愛着や楽しみを感じていただくきっかけになれば、と思っています」とイベントの企画意図を語った。「おせっかい部」ではシニアユーザーにスマホの楽しみ方を出張で教えにいくボランティア活動なども行なっているという。