Twitterは平和な場所になっちゃうの?規約の変更で、ユーザーたちが始めたナナメ上の「呪い」表現

背景には、Twitterポリシーの変更が。
2016年3月10日撮影
2016年3月10日撮影
REUTERS

Twitter上で「#ツイッターのルール違反にならない呪い」というハッシュタグが話題になっている。

"大喜利"形式で、以下のようなクスっと笑える「呪い」のツイートが投稿された。

●ボンゴレのあさり全てに砂が入っていますように。

●「どこからでも切れます」のどこからも切れませんように。

●よく行くコンビニで店員に変なあだ名つけられますように。

●ゆで卵の殻をむくと3ミリくらい白身が殻にくっついていてボコボコになりますように。

●座れた電車で「あっ、ここが降りる駅だっけ?」と焦ってる時に、案内表示板がちょうどハングル表示になってる呪い。

■どうしてそんな大喜利が?

誰もが少しイラッとする日常のひとコマを呪いに込めてツイートする。

背景にあるのは、Twitter社の規約変更だ。

Twitterでは、ヘイトスピーチの助長や、暴力や自殺志願者の温床になってしまうという批判を受けて、状況を改善するための規約変更を順次実施していくと10月に発表していた

11月3日には、具体的な規約を更新。自殺や自傷行為の助長など違反事項とし、利用者に自殺の兆候があると報告を受けた場合は、Twitterが利用者に、メンタルヘルスパートナーの連絡先などの情報を伝える可能性があるとした。

また、「人の死、重篤な外傷、暴力、外科手術などに関するグロテスクなメディア」をすべて写実的な暴力描写と見なし、プロフィール画像などに使用することを禁じるとの声明を発表した。

それに加えて12月18日からは、直接的な攻撃や嫌がらせに加えて、「重大な身体的危険、死亡、病気を望む行為の助長」が禁止される。

また「ヘイトを含む画像やシンボル」を利用すること、人種、民族、性別、性同一性、宗教などのカテゴリを標的とした嫌がらせやヘイトの表明の禁止も、同日から適用される

Twitterでは「ここまでくるとTwitterの意味がない」、「むしろ何を呟けばいいの?」など、新ポリシーに反発する声もあがっている。しかし、全世界で3億人以上が利用するプラットフォームとしての責任を問う声は少なくない。

日本では、2017年上半期(1~6月)にSNSがきっかけで犯罪被害に遭った18歳未満は全国で919人いたと警察庁が発表している。統計を取り始めた2008年以降増加傾向にあり、過去最多の被害数となっているという。また、被害者のうち3分の1強がTwitterに起因する犯罪に遭遇していた。

11月に起きた座間9人殺害事件で容疑者が被害者と「Twitterで知り合った」などと供述したと報じられたのを受け、菅官房長官が「Twitterの規制について、検討の対象に今後はなるだろうと思います」とコメントした

「#ツイッターのルール違反にならない呪い」のウィットに富んだツイートを眺めてクスッと笑いながら、SNSのもつ暴力性に思いをはせる瞬間があってもいいかもしれません。

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