セネガルのシセ監督は、最年少で唯一の黒人監督。 “時の人”がワールドカップにかける思い

「サッカーは万国共通のスポーツで、肌の色は重要ではない」
セネガル代表のアリウ・シセ監督
セネガル代表のアリウ・シセ監督
Michael Regan - FIFA via Getty Images

サッカーワールドカップ・ロシア大会の初戦を白星で飾った日本代表が6月25日午前0時、セネガル代表と対戦する。勝った方が決勝トーナメント進出に大きく前進する、大事な試合だ。

19日の初戦で、FIFAランキングで格上のポーランドを下したセネガル代表。ネット上では、監督を務めるアリウ・シセ監督にも注目が集まっている。

高身長で黒のスーツに身を包み、クールな長いドレッドヘアが特徴的だ。試合放送中は、シセ監督の人目を引く外見に「かっこよすぎる」「(映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の)ジャック・スパロウみたい」などの声がTwitterで相次いだ。

勝利をおさめた後のガッツポーズも世界中で話題になり、試合終了後はGIF画像が拡散した。

23日の会見では、ロシアの記者から「女性の間で人気になっている」と伝えられ、「私自身は別にセクシーとは思っていない。でも、ありがとう。愛されるのはうれしいことだよ」と照れながら答えたという

シセ監督は、1976年生まれの42歳で、今大会では最年少の監督だ。

セネガルでは、国内のサッカー発展に貢献した伝説的な選手として知られており、現役時代は2002年の日韓ワールドカップでキャプテンを務めた。この時のセネガル代表は、世界中に強烈な印象を残したチームの一つだ。

初出場ながら開幕戦で王者フランスを1-0で下し、強豪のデンマーク、ウルグアイとの試合にも引き分けた。アフリカ勢で唯一の決勝トーナメント入りを果たし、1回戦でスウェーデンを撃破。ベスト8まで進んだ。

セネガル代表が今回ワールドカップの出場権を獲得したのは、この大会以来、2度目である。

また、もう一つ注目すべき点がある。シセ監督は、今大会参加チームの中で唯一の「黒人監督」だ。

88年の歴史があるワールドカップにおいて、優勝経験がある地域は欧州と南米のみ。シセ監督は「いつかアフリカのチームがワールドカップで優勝する日がくると確信している」と、以下のように意気込みを語っている

「私は確かに、今大会において唯一の黒人監督だ」

「だが、サッカーは万国共通のスポーツで、肌の色は重要ではない」

「黒人の監督がいるのは素晴らしいことだが、サッカーに限らず、質の高い監督はたくさんいる。私たちはアフリカや世界のサッカー界で地位を築くことを目指す、新しい世代だ」

いつか、アフリカのチームから。そして、アジアのチームからも、ワールドカップで優勝トロフィーを手にするチームが誕生するはずだ。日本とセネガルの激闘に期待したい。

Japan v Senegal: Group H - 2018 FIFA World Cup Russia

セネガル代表のアリウ・シセ監督(2018年ワールドカップ・ロシア大会)

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