ハフポスト日本版がお送りするネット番組「ハフトーク」。
10月4日(木)の放送では、テスラCEOのイーロン・マスク氏がアメリカ証券取引委員会から提訴されたニュースや、イギリス王族の同性婚、安倍第4次内閣とカナダ閣僚の比較、沖縄知事選で創価学会員が反旗を掲げた写真などを取り上げました。
後半の「おとなの再入門」コーナーでは、アートシンキングを特集。ゲストの女性3人とトークしました。
番組の見どころ
これまで数々の企業でCFO(最高財務責任者)やIPOを経験されてきた飯田さやかさんは、世の中がかつてないスピードで変化し、不確実性が増大している今の時代には、「これまでと同じようなビジネスのやり方をしていると、人間の仕事はどんどんAIに置き換えられてしまう」と指摘します。そんなときに注目したいのが、これまでにないモノ・サービスを生み出すときに有効な「アートシンキング」という考え方です。
アートシンキングに「アート」というキーワードが使われているからと言って、美術館に行くことや、アート作品をコレクションすることがアートシンキングではありません。というのも、アートシンキングとは、アーティストが作品を生み出す方法を使って、自分のなかにある思いを見つけだし、それをビジネスや普段の生活などに利用していこうという手法だからです。
「アーティストは、他の人の意見を参考に作品を作るのではなく、自分の中にある『世の中はこうあるべきだ』とか、『私はこれが美しいと思う』といった自分の思いから、作品を作っていきます」とアーティストの思考プロセスを解説するのは西村真里子さん。「ビジネス」✕「クリエイティブ」✕「テクノロジー」をつなぐ "分野を越境するプロデューサー"として活動している。前例のないものを作るときには、誰かに意見を聞いても、新しいものが見えてくるわけではありません。頼れるのは自分であり、自身の中にある情熱や思いが、新しいものを生み出すときに有効になるのだそうです。
飯田さんは、バスキアの絵を買うのはアートシンキングではないが、「ZOZOスーツはまさにアートシンキングだ」といいます。ZOZOスーツは、販売されている服の中から自分の体に合う服を選ぶのではなく、服が人に合わせるような時代にしていきたいという前澤友作CEOの思いから生まれました。自分の中の思いがビジネスにつながっている点が、発想の転換でもありアートシンキングっぽいというわけです。「アートを買うということは『WHAT』を買うということであり、『WHY』ではない」と、飯田さんは指摘しました。
アートシンキングは起業家や企業のトップだけが身につければ良いのでしょうか。日米間のビジネスと投資の橋渡しをする会社を経営する奥本直子さんは、社会構造が変化していくのに伴い、起業したいという人だけでなく、常にビジネスをアップデートしていく立場にあるビジネスマンや、これから就職を考えている学生にも、アートシンキングが役立つといいます。
「これまでの組織は『オーケストラ型』で、社員は指揮者の言われたとおり弾けば良かった。しかし、『ジャズ』のように、各自がどんどんセッションに参加すれば、全く新しいものが生まれるかもしれません」
などと、奥本さんは語りました。
番組で取り上げたニュース
テスラCEOのイーロン・マスク氏、アメリカ証券取引委員会から提訴される。一体何が?
「国際的な感覚が欠けている『オッサン政治』」女性閣僚がたった1人の新内閣の顔ぶれに嘆く識者
かいつまんで見たい...!
出演者
飯田さやか...アートシンキング・コレクティブのメンバー。数多くの企業でCFOとIPOを経験
奥本直子...アートシンキング・コレクティブのメンバー。シリコンバレーで日米間のビジネスと投資の橋渡しをする会社を経営
西村真里子...アートシンキング・コレクティブのメンバー。ビジネス・クリエイティブ・テクノロジーをつなぐ "分野を越境するプロデューサー"
関根和弘...ハフポスト日本版ニュースエディター/うさぎ好き
ハフトークとは?
〜大人のニュース学び直し。これを知ってから、平成を"越そう"〜
東京オリンピック・パラリンピックを控え、平成がまもなく終わろうとしている。政治、経済、スポーツ、2018年夏の猛暑。日々報じられるニュースから共通して感じられるのは、日本社会の様々な"当たり前"を見直す時期がきているということです。学校って何のためにあるの? どうして最近LGBTに関するニュースが増えているの? 政治は本当に社会を良くしてくれるの?
さまざまなことをゼロベースで考え、次の時代を生きやすくする新しいアイデアを持っている人をゲストに呼んで、大人の学び直しをするネット放送です。