日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)に対し、東京地検特捜部が11月19日、金融商品取引法違反容疑による強制捜査に乗り出した。
経営危機に陥った日産自動車やルノーを次々と再建させ、今なお多額の報酬を得ているとされるゴーン氏。特捜部は、ゴーン氏が有価証券報告書にうその内容を記載をし、自らの報酬を少なくみせかけていたとみているという。
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「コストカッター」と呼ばれた辣腕経営者にいったい何があったのか。
ルノーに引き抜かれる
コトバンクによると、ゴーン氏はレバノン系ブラジル人の父とフランス人の母を持つ。レバノンの高校を卒業後、フランスに移住し、フランスのタイヤメーカー大手ミシュランンに入った。
ミシュランのブラジル最高執行責任者をへて1989年にノースアメリカ会長兼最高経営責任者(CEO)に就任すると、ブラジルと北米部門で事業の黒字化を達成。フランスの自動車大手ルノーがその手腕に注目、ゴーン氏は1996年、同社の上級副社長に就任した。
コストカッター
ルノーが1999年、当時経営不振に陥っていた日産自動車と資本提携すると、ゴーン氏は日産の最高執行責任者(COO)に就任。翌2000年には社長に就き、「日産リバイバル・プラン」を発表して経営再建に乗り出した。
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ゴーン氏は「コストカッター」と呼ばれるなど、大規模なリストラ策を断行。その結果、日産は短期間で黒字化を達成した。
ゴーン氏はその後も、ロシアの自動車メーカー「アフトワズ」会長や三菱自動車の会長に就任。経営に行き詰まった自動車メーカーの立て直しに辣腕を振るった。
ゴーン氏に対する評価は高まり、報酬も巨額になっていった。