難民めぐる落書き、東京入国管理局が写真付きで「止めましょう」とツイート ⇒ 逆に収容者らの人権問題で批判相次ぐ

入管の担当者「たとえ落書きが『入管頑張れ』だったとしても注意を呼びかけた」と回答

東京入国管理局(東京都港区)が11月20日、難民の受け入れなどを訴えた路上の落書き写真をTwitterに投稿し、「落書きは止めましょう」と呼びかけた。

迷惑行為への注意をうながした内容だったが、ほかのユーザーたちから批判が殺到する事態になっている。

批判の背景には、入管当局が最近、厳しい難民認定の現状や施設に収容された外国人の人権侵害をめぐって批判を浴びていることがあり、一部のユーザーには、入管が自らのことを「棚上げしている」と映ったためだ。

東京入管の担当者はハフポストの取材に対し、「落書きは迷惑なので注意喚起をしただけで、入管を擁護するものではない」と答えたが、入管業務とは関係ない唐突なツイートに批判は拡大しそうだ。

投稿は「落書きは止めましょう」という書き出しから始まり、「11月19日早朝、港南大橋歩道上にて。表現の自由は重要ですが、公共物です。少しひどくはないですか。。。」という内容になっている。

道路や横断歩道などに「FREE REFUGEES(難民を自由にしろ)」「REFUGEES WELCOME(難民歓迎)」と落書きされた写真が添えられている。

このツイートは一番上に目立つ形で表示されるよう「固定」されている。

ツイートには多数のユーザーからコメントが寄せられている。20日午後6時現在、1000件を超えており、落書き防止を呼びかけることは当然とする意見がある一方、「収容者に対する扱いを人道的なものに改めてください」「あなたたちの人権蹂躙の方がひどい」「所管外の件を扱うのは見苦しい」などの批判的な意見が相次いだ。

東京入管の見解は?

東京入管によると、落書きは入管庁舎近くの港南大橋で職員がたまたま見つけたという。総務課の担当者はハフポストの取材に応じ、ツイートの意図について「落書きは対象が公共物であり、近隣住民に迷惑がかかるので注意喚起しようとした」と説明した。

その上で担当者は、「難民について触れた落書きだったからツイートしたわけではない。落書き自体を問題視しただけであって、仮に『入管頑張れ』という落書きだったとしても、注意喚起のツイートはした」と釈明。ツイートを削除するつもりはないとしている。

ただ、東京入管が公式アカウントで落書きについて注意を呼びかけたのは「少なくともここ数年で初めて」(担当者)という。

これまでの投稿は、申請窓口の混雑状況などについて情報提供する内容がほとんどだっただけに、今回の投稿の唐突ぶりが際立っている。

このツイートをめぐり、東京入管には電話やメールでの問い合わせが寄せられているという。

日本の入管政策をめぐっては、他国と比べて極端に難民認定が少ないことが国内外で批判されてきた。

一方で、不法滞在で入管施設に収容された外国人らが職員から暴行されたり、適切な医療を受けられなかったりしたなどとする訴えも相次ぐなど、社会的な問題となっている。

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