漫画・ネタバレ動画 東京地裁がYouTubeに発信者情報の開示命じる。文字だけの抜き出しも“違法“

「海賊版同様、著作権を侵害する違法行為であることは明らか」
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TARIK KIZILKAYA via Getty Images

漫画・ネタバレ動画 東京地裁がYouTubeに発信者情報の開示命じる 文字のみ抜き出す投稿も"違法"

小学館は28日、著作権者に無断でYouTube上に漫画『闇金ウシジマくん』(『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中、以下、「本件作品」)の画像や文字情報をアップロード(投稿)する行為が著作権侵害にあたるとして、27日に東京地裁がYouTube社(本社・米カリフォルニア州)に対し、投稿者の発信者情報の開示を命じる仮処分を決定したと発表した。漫画そのものだけでなく、文字だけを抜き出す投稿の違法性も認定した形となる。

今回の決定は10月4日、債権者を本件作品の著者・真鍋昌平氏、保全すべき権利を「著作権に基づく発信者情報開示請求権」、債務者をYouTube社として、小学館が東京地裁に行った「発信者情報開示仮処分命令申立」の手続きによるもの。

同社は仮処分決定を受け「漫画作品を中心とする海賊版の存在が社会問題化するなか、YouTubeをはじめとする動画投稿サイトでも、漫画をページ送りで動画に仕立てたり、吹き出しのセリフを中心にストーリーを文字情報で紹介する詳細な"ネタバレ"を狙う投稿が大量に行われています」と指摘し、「海賊版サイトに比べ、サイト構築等の手間を必要としない分、安易に、手軽に行われているようですが、こうした行為が海賊版同様、著作権を侵害する違法行為であることは明らかです」と主張。

また、今回の東京地裁決定について、漫画の画像だけでなく、吹き出しの文字だけを抜き出して投稿した事例に対しても同様に違法と判断されたことを報告した。「これはYouTubeのみならず、ネット上に氾濫するいわゆる"ネタバレサイト"を厳しく戒めるものといえます」とし、「今後当社は、開示された情報を基に発信者を突きとめ、民事、刑事両面から投稿者の責任追及を行う所存です」と今後の方針についても説明している。

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