女性が職場の管理職として成長するための秘けつなどについて、企業の女性幹部らが意見を交わすイベント「女性リーダーの企業内サバイバル論」が11月30日、東京都内であった。
社会の多様性や女性の活躍などについて考える催し「マッシングアップ」の一環。
登壇したのは、日本マイクロソフトの伊藤かつら常務、三菱UFJフィナンシャル・グループの南里彩子執行役員、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの島田由香・取締役で、司会はハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎が務めた。会場では、女性の会社員ら約120人が聞き入った。
■「異分子である立場をフルに使う」
冒頭、竹下が女性管理職は少なく、組織の「異分子」のようでもあると指摘。これに対し、伊藤さんは「異分子は非常に良いこと」とした上で、「リーダーの仕事は決断をすること。もはや女性か男性かというよりも『伊藤かつらというリーダーがこの決断をした』と思われると良い」と話した。
また、女性管理職の役割について、「異分子である立場をフルに使って、今まで男性が言わなかったことを言うべきだ」として、それが「会社自体の力になる」と述べた。
■「男性は男性で自分にプレッシャーをかけている」
島田さんは「男とか女とかは基本的にどうでもいいと思っている」としながらも、「女性であることのメリットはいっぱいあって、それは満喫して活用すべきで、男性も同様」と話した。
男女による差はないものの、女性が行う方が相手にとって嬉しいこともあるとし、「『これは女の仕事だ』という訳ではなく、女性の方が良いのであれば女性がやればいい」とした。
逆に、今までは男性がリーダーであることが多かったことから、「男性は男性で、『リーダーだから』と意識し、自分にプレッシャーをかけていたのではないか」と指摘。男女両方が、何かに縛られる必要はないと強調した。
■「母親でもあると、男性と同じようには働けない」
南里さんは、子育てと管理職の両立について、「男性と同じように働いていては時間が足りないので取捨選択が必要」と話した。
その上で、部下との「飲みニケーション」を止め、勤務時間中に問題を解決する工夫をしていると明かした。
竹下が「飲み会で決まってしまうこともある。不安はありませんか」と聞くと、南里さんは「無いです」と答えた。
かつては「疎外感を感じていた」が、「今は、私の耳に届いていない話なら大したことはないと判断している」という。
■「異性だろうと遠慮は失礼」
登壇者に対し、会場から質問が出た。ある女性は「女性の管理職への男性側からの恐怖心をどのように打ち消したのか」と聞いた。
伊藤さんは「営業組織を管理しているので、特によくわかる。徹底的に話し合った」と話した。
「自分がこうあるべきだということに時間を費やし、オープンに会話をする。そして、最後には男性にとっても安心できる環境を作ることが大事」と述べた。
一方、南里さんは「今の男性部下を見ていると、女性の部下に対してとても遠慮している」と指摘した。
上司から本音で指導されたことで成長できた自身の実体験を披露。異性であっても「遠慮は失礼だ」と話した。