乃木坂46の若月佑美、最後の最後に感涙 「キャラ渋滞」を精算して卒業

「若月、とっても幸せでした」
黒いドレスに身を包んだ若月さん
黒いドレスに身を包んだ若月さん
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ

乃木坂46の1期生・若月佑美(24)の卒業セレモニーが4日、東京・日本武道館で行われた。終始晴れやかな表情だった若月は「まさか笑顔で終われるなんて思ってなくて、大号泣すると思ってたんですけど、こうやって笑顔で終わることができました。もう思い残すことはありません。本当に幸せなアイドル人生でした」と笑顔であいさつ。しかし、最後の最後に涙がこみあげ、手であおいで必死にこらえると「若月、とっても幸せでした」とかみしめ、2011年8月21日の結成から7年3ヶ月のアイドル人生に幕を下ろした。

 武道館は1万人の観客が持つペンライトで若月カラーの青一色に染まった。オープニングは男性ダンサーのキレキレのダンスで幕開け。続いて若月の代名詞の一つでもあるロボットダンスを披露して観客を沸かせた。乃木坂46初期からの冠番組でMCを務めるバナナマン設楽統のアイデアだったという。

 タイトルを「卒業コンサート」ではなく、「卒業セレモニー」とした理由について「ライブで曲披露だけじゃなくて、7年間でいろんなキャラクターがついてきちゃってるので、私らしくやれたらいいなと思って」と説明。冒頭の「ロボットダンス」をはじめ、「男前」「箸くん」などの"キャラ渋滞"を「卒業するにあたってちゃんと精算しておきたい。後々ついて回るので区切りをつけておきたい」と宣言すると、『卒業前にやっておきたい曲BEST5』をカウントダウンで発表し披露した。

 第5位「まあいいか?」は、キャプテンの桜井玲香との"れかつき"ペアで

披露。「私たち2人は仲がいいのは本当なんですけど、付き合ってるんじゃないかってうわさもありまして。桜井とステージに立つのはこれが最後だと思いますのでいい思い出を作りたいと思います」と言ったものの、曲中で桜井が求めるハグや握手、腕組みなどをすべてかわすと「玲香、7年間ありがとう。幸せになれよ!」と別れを切りだし、桜井は「後悔させてやるんだから~!」と絶叫した。

 第4位は女子校出身の秋元真夏、中田花奈、桜井、若月からなる「女子校カルテット」の新曲「告白の順番」を初披露。歌い終えた若月は「これをもって脱退となります。あとは3人でよろしくお願いします」と言って颯爽と衣装チェンジに向かった。桜井は「脱退なんてあるの?今日めっちゃ振られてる気がする」と呆然。秋元は「女子校トリオ?」と苦笑いしていた。

 第3位は若月と3期生の山下美月、梅沢美波、坂口珠美からなる若様軍団の「失恋お掃除人」。進行を務めていた高山一実が「この流れで行くと、若様軍団も解散ですか?」とツッコミを入れると、「見納めになると思います」ときっぱり。高山が3期生の3人に移籍の意向を聞くと、山下は「4期生に若月さんの良さを布教する軍団にしたい」と存続を宣言した。

武道館に箸を置いて引退!? 男前も卒業

 歌唱後には若月の代表的なネタで、コンサート看板のモチーフにもなった「箸くん」を披露した。レギュラー番組『乃木坂工事中』の企画「若月佑美の脱マジメ化計画」で習得した割り箸を使った宴会芸で、割り箸に向かって「箸くん、箸くん」と話しかけてから小噺をするもの。おもむろに割り箸を取り出した若月は一人二役で話し始めた。

 「箸くん、箸くん。箸くんには今日までたくさんお世話になったね。君と離れ離れになるのはとても寂しいよ」「何を言っているんだい?若様、箸はね...」と言って割り箸を割ると、「離れ離れになってから何かをつかむことができるんだ。若様も夢をつかめ!」とすばらしいオチを付け、観客から「オ~!」という歓声と割れんばかりの拍手が沸き起こった。

 「戦場のメリークリスマス」が流れるなか割り箸を袋におさめると、山口百恵さんが同所で行った引退コンサートでマイクをステージに置いた名シーンさながら、箸を置いてステージを後に。齋藤飛鳥は「最後のあれ、何?」と大笑いしつつ、「箸くんがすごいいいことを言ってたから、不覚にも大きめの拍手を贈ってしまった。すてきだった」と褒めた。

 第2位は樋口日奈、伊藤純奈を従え、「低体温のキス」を男前に披露。かっこよく決めた後には「この曲で男前卒業します!だって女の子だもん」とブリッ子ポーズでキャラ変した。オリジナル曲を歌っている生田絵梨花は「ヤバイ!もう若の曲ですよね。かっこよすぎてハートを射抜かれまくり」とメロメロだった。

 そして第1位は「乃木坂46の曲の中でとてもとても大切にしていた曲」という「Rewindあの日」を、華の94年組の西野七瀬、桜井とともに歌唱。「この3人でいつかフロントに立てたらなって言ってたこともありました。でも、こうして曲をいただけただけで本当にうれしくて、大事な曲として卒業後もいっぱい聴こうと思います」としみじみした。

 アンコール明けに黒のドレスで登場し、スポットライトを浴びた若月は「最後なので皆さんにお手紙を書いてきました。くさいし寒いせりふを真顔でしれっと言う私をどうか温かく見守ってください」と切り出すと、「みんなが私の原動力でした。不器用で空回りばっかりで、技術も武器も持ち合わせていなくて、一本線ばかり引いちゃう性格で、感性も変わっているし、女の子っぽくないし、もはや正直アイドルっぽくもなかったと思います。でも応援してくれるみんながいたから、そんな私でも楽しくアイドルができたし、頑張ろうって思えました。ファンの方、最高! メンバーも最高! スタッフさんも最高! つまり乃木坂って最高! こんなアイドルを愛してくれてありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。

 「私はメンバーが大好き。乃木坂46が大好き。乃木坂46を失いたくありません」と話すと「失いたくないから」のイントロが流れ、かつて夢見ていたという西野、桜井と3人でのフロントが曲の冒頭で実現。自身も卒業が決まっている西野は若月に抱きつき、若月の肩に頭を乗せながら感慨深げに歌った。

若月のサプライズプレゼントにメンバー号泣

 間奏では若月がメンバーに内緒で用意していた花を一輪ずつ、一人ひとりに「ありがとう」と声をかけながら手渡しするサプライズ。その優しさにメンバーは涙をぬぐった。白石麻衣は感極まり、両手を広げてハグ。号泣し顔を上げられない桜井には、少し身をかがめて花を手渡し「ありがとう」と伝えた。

 本来は主役の若月がもらうはずのものだが「最後まで与える人になりたかった」といい、晴れやかな表情。「みんなとすごく楽しい時間を過ごせて、幸せでした。本当に本当に幸せなアイドル人生でした。これからは一人の若月佑美として頑張っていきます」と宣言した。

 ラストナンバー「ダンケシェーン」最後のフレーズは若月が「やっぱ乃木坂だな!」で締めたが、最後の最後にメンバーが「やっぱ若月だな!」と叫び、1万人の「だな!」で締めくくった。若月は「やばい、今ので泣きそうになった」とこみ上げる涙を必死であおいでこらえ、「最後の一言は(胸に)きますね」としみじみ。「若月、とっても幸せでした」と言って深々と一礼すると、イヤモニを外し、マイクを通さずに生声で「ありがとうございましたー!」と叫んだ。

 在籍中にも女優として数多くの作品に出演した若月は、先月上演された舞台『鉄コン筋クリート』に主演。日本テレビ系で放送中のドラマ『今日から俺は!!』(毎週日曜 後10:30)にもレギュラー出演しており、今後も女優として活動を続ける。

■『乃木坂46若月佑美 卒業セレモニー』セットリスト

overture~Dance Opening Act

01. 狼に口笛を

02. 音が出ないギター

03. まあいいか?

04. 告白の順番

05. ボーダー

06. 失恋お掃除人

07. 低体温のキス

08. Rewindあの日

09. 会いたかったかもしれない

10. ガールズルール

11. ロマンティックいか焼き

12. 制服のマネキン

13. 帰り道は遠回りしたくなる

【アンコール】

14. 失いたくないから

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