毎日がアンビリバボーの連続、つっちーです。
今回は、日本人としてタイで働く上で重要なポイントを9つ、お伝えします。
1.絶対にキレちゃダメ!
▶出典 Johan Fantenberg on Flickr
タイ人は誇り高き人々です。
第二次世界大戦時、東南アジアで唯一他国からの侵略を逃れたのもタイでした。
仏教の教えも深く根付いていて、人前で誰かを叱りつけることは、プライドを踏みにじったと見なされるとても危険な行為です。
日本人の中には、皆がいる前でタイ人従業員を怒鳴りつけたりする方もいらっしゃいますが、後で家族や友人を引き連れての暴動に発展する可能性も否定できません。
また、その周りの従業員たちからも「無礼な日本人」というレッテルを貼られ、結局自分で自分の首を絞めることになります。
何かを伝えないといけない時は冷静、かつハッキリと、一対一で伝えましょう。
2.タイ・タイムを身につけよう
タイ人は納期、集合時間には大抵遅れます。
彼らにとって集合時間はめやすでしかありません。
納期に関しても、納期と定めた日から1〜3日後くらいで考えています(もしくは忘却の彼方)。
タイムリミットには遅れて当然の姿勢で、余裕のある納期設定をしましょう。
クライアントへの提出日が、社内の納期などというケースには、悪夢が待っています。
3.「マイペンライ」に気をつけろ!
▶出典 The Blasf on Flickr
マイペンライ=問題なしというタイ語です。
こちらが問題だと指摘しても、タイ人の方からしたら問題ではないと見なされることは日常茶飯事。
僕たちも人間なら、相手も人間。
お互いに妥協点を見つけて問題定義を伝え、何が問題なのかを自分の言葉で相手が納得できるまで伝えましょう。
でないと、「マイペンライ」で片付けられてしまいます。
4.日本の常識から離れてみよう
「日本人だから」「日本ではこうだった」「日系企業だから」。
日系企業で働くタイ人はある程度、その言葉の意味を理解しています。
しかし、それらを言ってしまうと押し付けになってしまいます。
▶出典 Fabien Piel on Flickr
郷に入っては郷に従え。
時には目の前にいる人に歩み寄る寛大さをもつのは、タイで働く以前に日本国外で働くための重要な要素だと思います。
5.お昼ご飯は楽しくゆったりと
他の国でもそうだと思いますが、お昼時には皆ちゃんとご飯を食べ、しっかり休憩をした上で午後の仕事に臨みます。
立ち食いそばなんて、この国にはありません。
みんなでランチを楽しんで、交流を深めましょう。
6.最大の武器は「誠実さ」「ありがとう」、そして「タイ語」
僕はこの国でコンサルをしていますが、日本人経営者の大半が直面する問題は、コミュニケーション不足に端を発して、不信感を抱くことです。
互いの不信感を解き放つ最大の武器は、あなたの誠実さです。
そして一言、「ありがとう」。
これだけで見違えるように、溝が埋まります。
さらにタイ語が話せるようになれば、事はさらにスムーズに運ぶでしょう。
7.仕事は「自分」のために
日本にいた頃、受講した就活セミナーでは、志望理由をこう書くように学びました。
「御社に貢献したい」「御社を通じて社会に貢献したい」。
お尻がむず痒くなるような夢物語を書かされたことを思い出します。
タイ人のみならず、世界の国々の人々は、会社を「自分の夢を叶えるための組織」程度にしか考えていません。
その会社のポジションで自分をどれだけ成長させるか、その会社で働くことによってどれだけ自分に箔をつけるか、を考えています。
転職なんてアルバイト感覚でバンバンします。
でも、自分のブランドを高めるためには当然のことと捉えているのです。
また、組織環境が変わったから転職するのもザラにあります。
社内で仲が良かった子が辞めるから自分も辞めるとか、しょっちゅうです(笑)。
8.権力社会はワーカーの態度にも現れる
タイ人は非常におとなしい人たちと言われています。
それもそのはず、王様がいて官僚がいて経営者がいてワーカーがいて......と、ヒエラルキーが明確に分かれている国なのです。
▶出典 shankar s. on Flickr
日本人というだけで建前上ヒエラルキーの上に属すると見なされるので、ワーカーは仕事に対してNoは言いませんが、許しを乞うために言い訳をしたり、ブツブツ文句を言ったりすることもよくある光景です。
歩み寄るのも大事ですが、自分の主張に筋が通っていると思うのであれば、時にははっきり命令するのも、ひとつの手立てかなと思います。
9.「彼女と大げんかして立ち直れないので今日は休みます」←ありえる
そんな人に対しては、出社したら少しでも話を聞いてガス抜きしてあげましょう。
圧倒的にプライベートを重視するタイ人。
プライベートの話を少し聞くだけで、もっと相手と仲良くなれるかもしれませんよ。
最後に
タイには、日系企業だけで4500社以上、日系人だけで6万人もいます。
いちコンサルタントとして企業の抱える問題をお伺いする機会も多いのですが、問題の核にあるのはいつも、コミュニケーション。
互いの特性や性格、価値観をくみ取れず、言葉の壁を理由に相互理解を難しく感じている経営者の方や、タイ人のワーカーがたくさんいらっしゃいます。
でもここはタイ。
そして日本人の僕たちは、外国人。
外国人であるからこそ、現地人を尊重することが、外国に暮らす上で最も重要なポイントだと僕は思います。
国家を理解し、この国で外国人として働いた暁には、自分の殻が破れて大きな成長を感じられるはず。
いつまでも殻の中にいるも、一歩踏み出し外の世界を見るのも、それはその人次第なのです。
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ライター
つっちー/Tsucchi
京都府出身。小さな頃からの"外部"との交流やLGBTとして過ごした経験から、心理学や国際政治、哲学に興味を持ち、在学中はイギリス、タイに留学。現在は、タイのコンサル会社にて日本人とタイ人をつなぐコーディネーターとして日々邁進中。将来は世界の人々に対して、有益な情報を啓蒙をするお仕事に携わること。
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