Toru Yagi です。
今回は、30歳過ぎまで全く英語が使えなかった私がどうやってMBA留学し、日本語が全く話せないイギリス人と結婚するレベルまで英語力を上げたのか、その極意をお伝えしたいと思います。
英語の壁
私が義務教育以外で、本格的に英語を勉強したのは、MBA留学を心に決めた30歳からでした。
大学内部進学&体育会だった私の英語力は本当に酷いもので、シンガポールのビジネススクールの合格を勝ち取るまで2年かかり、その期間に英語学習に投資した金額は300万円に上りました。
なんとか希望通りのビジネススクールに入学できましたが、世界20ヶ国から構成される同級生100名中、私の英語力は圧倒的な最下位でした。
2年間、身を粉にして英語を勉強して、テストではある程度の点数は取れるようになったのに、授業の理解度は半分以下で、MBAで重要視されるClass Participation (授業への積極性、発言など)は全くできず、グループワークでは自分の思ったことをうまく表現できず、悔しい想いをする毎日を送っていました。
MBA留学中も、隙間時間を見つけてはオンライン英会話やいわゆる英語学習の定番と言われる教材を試したり、学期と学期の休みの間にセブ島に行って、1日10時間の英会話を実践しましたが、なかなか効果を感じることができずにいました。
ついに出会った「効果を感じた英語学習法」
そんな私に転機が訪れたのは、友人からのアドバイスを実践してからです。彼は、海外経験なし&大学内部進学という私と同じような境遇でしたが、社会に出てバリバリと英語を使って仕事をしていました。
彼からのアドバイスは、「とにかく文法を体で覚えろ」というもので、その理由は、「語順の違いがボトルネック」になっているためだと。それを克服するには「語順を組み立てる練習を繰り返す」というものでした。
彼のアドバイスをもとに私が行ったトレーニングは、「ある英文を、動詞を軸に変形する練習を繰り返す」です。
例えば、
We introduced a new product. という文章を「関係代名詞」を使って変形します。
The new product which we introduced last year was successful.
という文章になります。
次に、「不定詞」を使ってはじめの文章を変形します。
It is not easy to introduce a new product.
という文章になります。
このように、元の文章を動名詞、接続詞、関係副詞......を使って変形していきます。
私は、教授のよく使う表現、ケースの資料、ビジネス書、ビジネス記事などから、使えそうな英語表現を片っ端からリストアップし、上記の要領で、その英文を動詞を軸に変形させ、その変形文を口に出す練習を繰り返しました。
学習の効果
この練習を繰り返してからしばらくすると、驚くべきことに、「話す」「読む」「聞く」「書く」全ての能力が飛躍的に上がっていきました。
片言でしか表現できなかったスピーキングは、関係詞や接続詞を使って文章を長くすることが可能になりました。ライティングでは思ったことを文章化するスピードが上がりました。
リーディング力が上がったと実感したのは、何度も同じ文章を読み返す頻度が明らかに減った時です。語順の理解が深まり、英文を見るとその構造をスピーディーに理解できるようになりました。
同じようにリスニングも、聞き取った単語やフレーズをもとに意味を類推していましたが、聞いた文章を文章のまま理解することができるようになっていきました。
最後に
私はこの学習法を実践するまで、本当に英語で苦労してきました。あらゆる英語教材を試し、評判の良い英語学校や英会話に通いましたが、英語を使いこなすレベルには至りませんでした。
その膠着状態からブレイクスルーしたこの学習法を他の学習法と比較すると、
1.英会話より短時間でアウトプットの練習ができた
⇒ やっぱりアウトプット量(スピーキング)を増やすことがポイント
2.聞き流し・読み流しだとできない、文章を繰り返し作る経験により文法を体で覚えることができた
⇒ 文章化の反復練習により、日本語と英語の語順の違いを解消することがポイント
という点が良かったと思います。
皆さんもぜひ、この勉強法を試してみてください。
日本人が外国人と対等に英語で議論できるようになり、その結果、世界で日本のプレゼンスが上がることを願っています。
ライター
ToruYagi
1981年東京都出身。慶應義塾大学卒業後、日系大手メーカーで営業&企画を経験後、シンガポールでMBA社費留学。留学後は、同社にて国内のマーケティング職に従事するも、留学中の同級生だったイギリス人女性(イギリスとタイのハーフ)との結婚&妻の妊娠を機に、約12年間勤めた会社を退職して、シンガポールに移住。夢は、日本を再び世界で輝かせること。そのためには、「日本企業の異文化コミュニケーション能力を上げて、外国企業とのあいだでシナジーを生み出す必要がある」というのが信条。
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