都内の大手法律事務所から、シンガポールに飛び込んだ理由
私は都内の大手法律事務所で4年間弁護士秘書として働いていました。
大学時代に1年交換留学をした経験があり、元々海外に興味はありましたが、当時は特に何も考えずに転勤がない会社を選びました。
最初は夢である映画業界を目指して就職活動をしていましたが、最終的に全く異なる業界に入りました。
入所した当初は、業務上英語を使う機会があると聞いていたものの、これまでに私が担当した弁護士のボスは全員日本人だったので、英語での電話対応や英文メールを書くといった機会が時々ある程度でした。
しばらく働くうちに、何か心の中にぼんやりとした違和感が広がってゆき、仕事だけではなく毎日の暮らしに対しても、私の生き方はこのままで良いのだろうか? と不安を覚えるようになりました。
大学時代に想像していた将来の自分像とのギャップに悩む日々
少し話が逸れますが、私にとって大学生活はかけがえのない時間でした。
学問ももちろん大事ですが、何よりも授業の中でクラスメイトや教授とのディスカッションを通じて「生きる姿勢」を学んだと思います。
現代の国際社会を生きる中で、日本人という枠組で物事を考えるだけではなく、この世界の一員としてどのように貢献していくかということを考える機会が多くありました。
それを社会人になって思い出したときに、今の自分の生き方は、大学時代にイメージした将来の自分とギャップがあると感じました。
毎日仕事をし、仕事後は友人や同僚と飲んで楽しみ、自分のことしか考えずに狭い世界で生活を送る毎日。
映画の字幕翻訳をやりたいと思い、学校に通って勉強をしていましたが、仕事をもらうレベルに達するには相当の時間がかかるため、どう現状を打開すればいいのか悶々と考え続けるばかりでした。
そんな中、海外で働いたり、海外で勉強している友人が周りにいたせいか、日本以外で働くという選択肢もありだなと、いつしか思うように。
そして、少しずつその思いを周りの友人や知り合いに打ち明けるようになりました。
アメリカでインターンをするのも良いなと考え、アメリカでの転職について調べていた時期もあったのですが、それでも自分の中で踏み切る自信がなく、実際に行動を起こすことはできませんでした。
シンガポール移住までの道のり
きっかけは、同僚に相談したことでした。
私の職場は東京本社のほかに、海外拠点がいくつかあります。
その中にシンガポールオフィスがあるので、以前から少し興味はあったのですが、秘書は現地採用のため、東京から派遣する制度がなく、諦めていました。
ある時、同僚に東京からシンガポールオフィスに異動したいと話したところ、その同僚が所内の人に私の話をしてくれました。
それが徐々に動きを見せ、最終的にシンガポールオフィスと面談を行い、現地採用という条件でシンガポールオフィスの秘書として採用されることになったのです。
私のシンガポール移住への道は、周りの人々に相談してその方々の協力を得たおかげで切り開くことができました。
夢が叶うか叶わないかは別として、自分のやりたいことを常日頃周りの人たちに伝えておくのは、みなさんが思っている以上に大切なことかもしれません。
夢への第一歩として、シンガポールで働く
シンガポールオフィスで働くことが決まったばかりの時期に、カリフォルニア留学時代にお世話になった日本の友人に会いました。
実は、まだアメリカに行きたいという思いが残っていた私は、「本当はカリフォルニアに行きたいけれども、ビザが厳しくてなかなか働くのは難しそうだ」という悩みを打ち明けました。
すると彼は、「カリフォルニアもいいけど、世界は広い。色々な国に行けることは素敵なことだよ」と言ってくれ、その瞬間、アメリカに固執せずに(今もまだ諦めていませんが!笑)まずはシンガポールで頑張ってやってみようと強く思いました。
同じ英語圏で暮らせることは、私の夢である字幕翻訳の仕事に役立つかもしれません。
今回の現地採用の話は特殊なケースで、私はいわゆる転職活動をしたわけではありません。
しかし、何か少しでも行動を起こせば、こういう道も切り開くことができるのだと知っていただければ嬉しいです。
それでは今回はこの辺で!
<著者プロフィール>
Eriko
2009年6月に大学卒業後、都内の法律事務所にて弁護士秘書として勤務。2014年5月よりシンガポールで現地採用として日系法律事務所で勤務。趣味は旅行とミニシアター系映画鑑賞。将来の夢は映画の字幕翻訳!
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