香港の民主選挙を支持して拷問の危機に ~いまだ獄中にある中国本土の27人~

北京に住む王蔵さんは香港市民への連帯を示すため、雨傘を差した写真をツイッターに投稿し、連帯集会を仲間の芸術家たちと準備していたところ、逮捕されてしまった。

■□■ 「パパ帰ってきて」 ■□■

昨年11月にツイッターを流れた、女性と子どもの写真。「王蔵無罪」「パパ帰ってきて」と書いた紙を掲げている。

王蔵とは人の名である。中国の詩人で、写真に写っているのはその妻・王麗さんと子どもたちだ。

夫であり父親である王蔵(29歳)さんは、昨年10月1日に拘束された。その1週間後、夫との面会に訪れた王麗さんと1歳の娘も拘束された。母娘は9時間余りのちには解放されたが、その間、幼子にも飲み物や食べ物は与えられなかったという。

王蔵さんはその後、「挑発・混乱を引き起こした」容疑で正式に逮捕・起訴された。有罪となると最長で5年の刑に処せられる可能性がある。彼はいったい何をしたというのか。

■□■ 雨傘を差した写真がもとで ■□■

昨年の9月、香港では民主的な行政長官選挙を求める運動が大きな盛り上がりを見せていたことを、皆さんご記憶のことだろう。路上に集まる丸腰の市民や学生に対して、警察は放水や催涙ガスで応じた。市民の側は雨傘でそれに対抗。いつしか雨傘は、非暴力で民主主義を求める香港市民の運動のシンボルとなった。

北京に住む王蔵さんは香港市民への連帯の意を示すため、雨傘を差した自分の写真を9月30日にツイッターに投稿した。そして、詩の朗読やパフォーマンスで構成する連帯集会を仲間の芸術家たちと準備していたところを、10月1日の深夜に北京市内の自宅で逮捕されてしまったのだ。

彼は詩人であるが、これまでも立ち退きを強いられて住居を失った人びとや農地を失った農民の支援などを、積極的に行っていた。しかしそのどれもが、暴力を呼びかけるようなものではなく、平和的なものであった。意見を表明したり、政府に平和的に抗議したりすることは、皆に認められた最も基本的な人権である。彼が拘束されるようなことは、あってはならないことだ。

■□■ 中国政府は拷問をやめ、即時に釈放せよ ■□■

しかも残念ながら、拘束されているのは王蔵さんだけではない。

中国本土では香港の運動に連帯する活動が、ツイッターやフェイスブックなどのSNS上で展開された。支持の意見を綴ったり、連帯の言葉を掲げた写真を投稿したり、傘を差した写真を載せたりといった活動である。

活動家たちは、次のような言葉を掲げていた。

「香港の選挙に関して『人民代表大会』が決議をしても、それはなんら私を代表していない」

民主的な選挙を求める香港市民の願いが、「中国人民を代表して」と称して踏みにじられることが、王蔵さんたちにとっては堪え難いことだったのだ。

平和的な活動であるにもかかわらず、中国政府はこのような動きを許さなかった。アムネスティの調べでは一時100人以上が拘束され、現在でも少なくとも27人が獄中にある。そのうちの9人は弁護士との接見を許されておらず、4人の所在は不明のままである。また、少なくとも2人が拘禁中に拷問を受けたと報告されている。

王蔵さんは12月25日に初めて弁護士との接見を許された。弁護士の話では、5日間連続で取り調べを受け、取り調べの最中に蹴られ、殴られ、眠らせてもらえず、ほとんど立ったままで座らせてもらえなかったという。取り調べ中に心臓発作と思われる症状に襲われだが、何の治療も受けられなかったそうだ。

■□■ あなたの署名で王藏さんを家族のもとへ ■□■

彼だけでなく獄中にいる27人みなが、同様に拷問を受ける可能性がある。アムネスティ日本では、香港の民主化運動への支持を平和的に表明した人たちを拷問にかけることのないよう、また即時に釈放するよう、中国当局に要請するオンライン署名を展開中である。

あなたの署名で、王蔵さんたち27人を、無事に家族のもとに帰してほしい。

★オンライン署名サイト

★王蔵さんのツイッターアカウント

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