「周りの期待に沿えていない」高機能不安障害の人は、こんな気持ちを抱えています

だけど、見た目は冷静な努力家。不安障害を抱えているようには見えません。
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JGI/Jamie Grill via Getty Images
Frustrated Caucasian businesswoman using computer

「高機能不安障害」をご存知だろうか?

アメリカ国立精神保健研究所のウェブサイトには「高機能不安障害の人には、ネガティブな考えが頭を離れない、ゆっくり落ち着けない、筋肉が緊張するなどの特徴がある」と書かれている。

この心の病を抱えている人は、一見落ち着いている。また、職場で仕事を上手くこなし、頼れる友人、家族でもある。しかし、冷静に見える一方で「私は良くない友人だ」「仕事がちゃんとできていない」「私はみんなの期待に沿えていない」といった考えが頭の中を駆け巡っている。

あまり名前を聞いたことがない高機能不安障害を、メンタルヘルスについて語るウェブサイト「マイティ」が、動画で説明している。動画に出てくる若い女性は、この心の病についてこう説明する。

高機能不安障害の人は、努力家で、いつも忙しく動き回り、完璧主義な一面がある。それが爪を噛む、貧乏揺すり、髪を触り続けるといった形で現れることがある。

「私は人を満足させていない」「人に頼ってばかり」「彼は私が、彼がいなきゃ何もできない人間だと思っているはず」「なんであんなこと言ったんだろう」「もし相手が嫌がっていたらどうしよう」「なんで私頑張れないんだろう」「自分は上手くやっているように見せるのが得意な人間だ」「まるで詐欺師」「みんな私のことを嫌いなんだろう」「私は悪い友達」「悪いきょうだい」「悪い娘」「どうせ私は何もできない」。そんな風に考えるが、その間とても冷静に見える。

とどまるところを知らないエネルギーのはけ口を探して、何かを書いたり、走ったり、ToDoリストを作ったり、単純作業をしたり、何でもいいから自分を忙しくするものを探す。キッチンでジャンプしたり、リビングで踊ったりして、それが楽しいことであるかのように振る舞うけれど、それは頭に浮かぶネガティブな考えをなくすための演出だ。笑顔の下では、不安が静かに攻撃している。

アメリカでは18%の人たちが毎年、高機能不安障害を含む不安障害になると言われている。しかし、アメリカ疾病対策センター(CDC)の調査では、心の病を抱えている人の中で「他の人が自分の経験を理解してくれている」と考えていたのはわずか25%だった。

私たちの身近にも、この問題で苦しんでいる人はいるかもしれない。また、動画にでてくる女性と同じ気持ちになったがこともしあるのなら、「この問題に対処するための最初のステップとして、この心の病を名前で呼ぼう」とマイティは動画で呼びかけている。

<笑顔に隠された、不安の攻撃(英語)>

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

▼画像集が開きます▼

ほとんど知られていない、身体を傷つける不安障害
自傷性皮膚症(01 of05)
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自傷性皮膚症は、不安や抑うつ、強迫性障害、パニックに関連するもう1つの衝動調節障害であり、コントロールできないスキンピッキングにより特徴付けられる。患者は自分の皮膚を傷つけることで感情的な安らぎを求める。顔や腕、肩、恥部に対するものがよく見られる。\n\n自傷性皮膚症は、強迫的スキンピッキングや神経症性擦創、慢性スキンピッキングとしても知られている。ロサンゼルス強迫性障害センターによれば、この疾患が治療される場合、強迫性障害を持つ者の約23%、身体醜形障害を持つ者の27%が、二次的疾患として自傷性皮膚症も有している。\n\n治療には、マインドフルネスを基本とする認知行動療法がもっともよく用いられる。 (credit: WIKIMEDIA: KAIRYU7)
咬爪癖(こうそうへき)(02 of05)
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爪をかむ人間は多い。しかし、咬爪癖という病気もあり、その場合、爪をかむ人間の行為は強迫的となる。ただ嫌な癖というだけでなく、衝動調節障害の一種、強迫性障害の一症状となりえる。 (credit: WIKIMEDIA: JORDAN10LA)
咬頬癖(こうちょうへき)(03 of05)
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咬頬癖も強迫的性質を帯びる場合があり、抜毛癖や自傷性皮膚症、咬爪癖をも含む、身体を傷つける反復性障害の一つとされている。 (credit:FLICKR: LOLLYKNIT)
自己臭恐怖症(04 of05)
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この身体を対象とする不安障害は反復的行為を基礎とするものではないが、強迫性障害や不安、抑うつ、パニックの兆候である。否定するどのような証拠があっても、自分がひどい体臭を発しているという不合理で精神を消耗させる不安を感じる。\n\n自臭症・ブロモシスとしても知られている。自己臭恐怖症の人間は、たいてい体臭防止剤や香水、洗口剤を執拗に使い、過度にシャワーを浴びたり、身づくろいを行う。ありもしないひどい体臭に対し治療を求める場合もある。\n\nロサンゼルス強迫性障害センターによれば、現在、自己臭恐怖症は独立した診断とはならず、より一般的な強迫性障害の一部と考えられている。 (credit:Alamy)
モルジェロンズ病(05 of05)
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この謎が多い皮膚疾患は、原因不明の発疹、痛み、蟻走感(皮膚や体内をアリがはっているように感じる異常知覚)、そして時に皮膚の下に固形物ができる。病気の由来は不明である。激しいかゆみと痛みで、日常生活にも支障をきたす。\n\n疾病管理予防センター(CDC)は、あるケーススタディーでこの疾患の起源として感染症や寄生生物を排除した。その代わり、CDCの研究グループは、モルジェロン病の患者が心気症やその他の妄想性健康障害患者の精神医学的特性に非常に近接していることから、モルジェロン病が1つの精神状態である可能性があると考えている。\n\nメイヨー・クリニックは、医療検査により医学的原因が判明しない場合は精神医学的援助を求めることを推奨している。 (credit:FLICKR: KAZZ.0)


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