日本でも結婚して家族になりたい。横浜の同性カップルが、婚姻届を提出

「もっとダイバーシティが認められ、良い国になってほしい」同性婚を求め、国を提訴へ
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Jun Tsuboike
クリスティナ・バウマンさん(左)と中島愛さん

横浜市内に住む女性カップル、中島愛さんとクリスティナ・バウマンさんが1月16日、市内の区役所で婚姻届を提出した。

提出前、ふたりは「緊張しています」と言いながら、婚姻届を見せてくれた。

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Jun Tsuboike

中島さんは横浜出身で、バウマンさんはドイツ出身だ。ふたりは2011年にドイツで知り合った。

ドイツでは、2017年に同性婚が認められた。中島さんとバウマンさんは2018年にドイツで婚姻届を提出し、正式に結婚した。しかし日本では、同性同士の中島さんとバウマンさんの結婚は認められていない。

「日本でもっとダイバーシティが認められ、良い国になってほしい」という思いを込めて、今回ふたりは婚姻届を提出した。

■ 提出した婚姻届は...。

海外で婚姻届を提出した日本人と外国人のカップルが、日本で戸籍に登録する場合、結婚した国が発行した結婚証明書を、市区町村の役所に提出する。

中島さんとバウマンさんも、婚姻届に加えて、ドイツの結婚証明書とその訳文、パスポートの写しなどの書類を提出した。

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Satoko Yasuda
二人で書類を提出。対応した区役所の職員は「外国で成立した婚姻の届けでよろしいですか?」と確認した。

提出の後、区役所から受理・不受理の回答はなかったという。「回答は後日郵送で送る」と言われたそうだ。

ただ、これまで日本で同性カップルの婚姻届が受理されたことはない。今回、中島さんとバウマンさんの婚姻届の提出に携わった弁護士も、受理される可能性はほとんどないだろう、と話す。

中島さんは、「予想通りの結果でした。緊張しましたが、不備などなく出せてよかった」と話した。バウマンさんも「受理されるとは思っていなかったけれど、一緒に提出できてよかったです」と笑顔を見せた。

■ 日本人と外国人の同性カップルは、常に不安を抱えて生きている

「同性婚ができないのは、法の下の平等を定める憲法に反する」として、複数の同性カップルが国を訴える訴訟が、2月に予定されている。中島さんとバウマンさんは、その訴訟の原告カップルの1組だ。

なぜ、原告に加わろうと思ったのか。その理由の一つとして、中島さんとバウマンさんは「日本人と外国人の同性カップルが、常に不安を抱えながら生きていかなければいけない状況」を挙げた。

バウマンさんは現在専門学校に通っていて、留学生ビザで日本に滞在している。しかし、何らかの理由で学校に通えなくなったら、ビザが取り消される可能性がある。

また、就職して就労ビザが出たとしても、就労先が倒産するなどの問題が起きたら、ビザは剥奪されるかもしれない。ビザがなくなれば、日本に滞在し続けるのは困難だ。

「もし何かが起きたら、強制送還されるかもしれない。そういった恐怖や心配を日々感じてながら暮らしています」とふたりは訴える。

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satoko yasuda

そのほかにも、家族として認められていないため、お互いの手術の同意書にサインできないなど、常に不安が尽きない。

もしこれが異性カップルだったら、配偶者ビザが出されるため、より安定した状況で家庭を築ける。

ドイツでは婚姻関係が認められている家族にも関わらず、日本では一緒にいることすら難しくなるかもしれないという不安を抱えて生きる中島さんとバウマンさん。「いつ、どこに住もうかといった、家族として長期的な家庭像が描けません」と話す。

中島さんとバウマンさんは、同性婚が認められていないために苦境に立たされている日本人と外国人の同性カップルを、他にもたくさん知っているという。中には、日本で一緒に生きていけず、外国で暮らす選択をした人たちもいる。そういう状況を変えたいと思っている。

「日本ではLGBTQが可視化されておらず、自分の周りにはいないという人たちもいます。社会のためにも、みなさんの周りにもいるんだということを伝えたくて原告になりました」

「私たちだけでなく、社会的に認められていない仲間たちも、そして応援してくれる家族やたくさんのためにも頑張りたいと思います」

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satoko yasuda
婚姻届を提出した後の、中島さんとバウマンさん