フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排出ガス不正問題に関する相次ぐ報道は、ここに来て沈静化し始めているが、米国では一部の新車の販売停止が今なお続いている。実際に同社が対象車両の改修を開始するのは数カ月先になる見込みだ。さらに、この改善措置がまた別の困難に直面していると米金融情報メディア『Bloomberg』は報じている。米環境保護局(EPA)がVWに対し、これまで非公表となっていた排出ガスを制御するソフトウェアについての情報開示を要求しているからだ。
排出ガス試験をごまかすための「ディフィート・デバイス(無効化機能)」とは別に、今回話が持ち上がったのは、エンジンを暖機するプログラムだ。自動車メーカーは、排出ガスに影響を与える可能性のあるソフトウェアを、全てEPAに開示することが義務付けられている。この技術は必ずしも違法ではないが、検査当局は評価試験の際にその存在について告知を受けている必要があるのだ。
しかし同社は、ディーゼル・エンジンを搭載した最新の「TDI」ディーゼル・エンジンの認可を申請するまで、このシステムを公表していなかった。「VWはごく最近、単数または複数のモデルイヤーに搭載されているという補助的に排ガスを制御する装置について、極めて予備的な情報をEPAに提供した」とEPA広報のニック・コンガー氏はBloombergに語っている。
情報開示に応じたVWは、非公表だったプログラムの詳細をEPAに提供するまで、TDIの認可申請を撤回。だが、これまでのところ、このプログラムがもう1つのディフィート・デバイスである証拠はない。検査当局は、VWが再びシステムの不正操作を行っていないか、改修を施したエンジンに徹底的な試験を実施する準備をしているという。
米カリフォルニア州大気資源局(CARB)はVWに対し、排ガス基準を満たすリコール(回収・無償修理)計画を11月20日までに提出するよう要請している。今回の不正問題を受けて、罰金や修理費用などの莫大な金額を確保するため、VWは厳しいコスト削減を進めているところだ。また、VWは先日、今後は電気自動車を推進する戦略に本腰を入れることを発表している。
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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(2015年10月21日「Autoblog日本版」より転載)