老化を防ぐ上で、もはや常識となっている紫外線対策。日焼け止めを塗ったり日傘をさしたりと、夏は熱心に対策をしていますが......。冬は何もしなくても大丈夫なのでしょうか?
◆紫外線対策が必要なワケ
老化現象を引き起こすのは、加齢による変化だけではありません。シミやしわを増やす紫外線も大きな原因の一つです。同じ年齢でも、紫外線に多く暴露されている人はシミやしわが多く、見た目年齢が老けてみえるというデータもあるのです。
◆「UVA」と「UVB」
降り注ぐ紫外線の量が季節によって異なることは、皆さんご存知だと思います。複数ある紫外線の波長のうち、我々の肌に影響を及ぼすのは長波長の「UVA」と短波長の「UVB」です。いずれも8月がピークで、冬に近づいて下がり続けていきます。
◆肌へのダメージは季節で違う
UVAとUVBのうち夏に多いのは、日焼けやシミの原因になりやすいUVBです。夏に日光を浴びるとじりじりと熱く感じたり、すぐに真っ赤になったりするのは、このUVBのせいです。
一方、冬はUVBの量が減るので、日光を浴びても赤くならず、紫外線が弱くなったように感じます。しかし見た目のサインとして表れにくいUVAは、夏と同様に降り注いでいます。
UVAは肌の奥深くまで届いて、シミ、しわ、たるみの原因となります。コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を左右する膠原繊維とそれを作り出す線維芽細胞は、肌の奥にある「真皮層」という部分に多く存在していますが、UVAはこの層へダメージを与えるため、肌のハリになる成分を失う原因となるのです。
◆紫外線対策は冬も必要!
冬は紫外線を浴びても、赤くなったり熱くなったりといった日焼けの症状が出ないので、紫外線に対して無防備になりがちです。しかし、肌の老化を起こすUVAには夏よりも多く暴露されている可能性があります。お肌の老化を防ぐためには、冬であっても紫外線対策が必要なのです。
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プロフィール
下島 久美子(美容皮膚科)
クリニックB 院長
金沢医科大学卒業後、杏林大学第一内科に入局し内科医として臨床経験を積む。
その後、六本木わかばクリニックへ入職しレーザー治療、注入療法の美容医療全般を学び美容皮膚科医としての臨床経験を積み現職へ至る。
2014年10月に日比谷・有楽町にクリニックBを開院。