新生活にも慣れた頃、なんとなく疲れがでてきてしまいがちです。また、日射しも強くなって肌のアンチエイジングも気になったりしますよね。美容、健康のことが気になる今こそ「クコの実」に注目してみませんか?
気温も上昇し、すごしやすい毎日も続きますよね。でも、いっぽうでこれからの時期は、新生活で緊張していた疲れがドッと出たり、紫外線が強くなって肌への影響があったりと、じつは美容にも、健康にもきちんと気をつけた方がいい時期なのです。そんな疲労や肌の老化にいいと話題なのが「クコの実」。実はスーパーフードとしてもいま注目されています。果たして、クコの実の効能とは???
■中国・韓国だけじゃなかった! 昔から日本でも愛用されているクコの実
杏仁豆腐の上にちょこんと乗っている赤い実が「クコの実」。また韓国の参鶏湯(サムゲタン)にも入っていたりと、なんとなーく薬膳として取り入れられているなあ、という印象があるものではないでしょうか?
「このクコの実は、ナス科クコもしくはナガバクコの果実で、紅く楕円形の実のこと。原産地は中国ですが、古くから日本でも栽培され「沼美久須利(ぬみくすり)」と呼んで民間薬として用いたり、江戸時代には葉を食用として日常的に食していたものなんです」
と、教えてくれたのは、漢方の総合サイト「漢方デスク」の薬膳レシピ監修を担当している宗形佳織先生。 疲労や美肌のために、クコの実がいいという本当のところを、聞いてみました。
「漢方医学では、【クコの実】は血(けつ:身体を栄養する赤い液体)や水(すい:血以外の体液。津液ともいう。)を補う作用があるとされています。その為、血虚証(けっきょしょう:血の量が不足した状態)や亡津液証(ぼうしんえきしょう:水の量が不足した状態)の方に用います」
血虚証、亡津液証の人というのはどんな症状が出ている人なのでしょうか?
<血虚証に起こる症状>
・目が疲れる、目がかすむ
・皮膚が乾燥する
・毛が抜けやすい、
・爪が割れやすい、
・こむらがえりが起こる など
<亡津液証に起こる症状>
・目・口・唇・鼻などの粘膜がかわく
・空咳がでる
・尿量が少ない
・便秘 など
クコの実はこうした症状がある人におすすめなんだそうです。あなたはいかがですか?
■クコの実は、どうやって取り入れるのいいの?
スーパーなどの中華用食材コーナーで売られている程、いまやポピュラーになったクコの実ですが、どうやって取り入れるのが効果的なのでしょうか?
「漢方薬などの処方から考えると、クコの実はそのまま食べる、何かに直接加える、煮る場合には煮汁ごと用いる、煮汁だけでもよいという摂取法が考えられます。摂取量はもちろん品質にもよりますが一人1日3gが適量と考えられます」
その方法ならとっても簡単そうです。さっそくクックパッドレシピを探してみました。
本格的に取り入れるなら薬膳スープにチャレンジ
鉄欠乏に役立つ「クコの実」と呼吸器によいとされる舞茸、コラーゲンタップリの手羽元で美しくなるスープです
休日のおやつにもぴったり♪
挽いたクコの実とココナッツミルクで♪クコの実の甘酸っぱさと、ねっとりプルンが美味しいサーモンピンクのババロアです
オレンジジュースに漬けると食べやすいらしい
魅力的な効能を持っているクコの実を食べやすくオレンジに漬けました。その効能とは。。
そのまま納豆にいれちゃう!という手も。大人気です
ヘルシー!クコの実納豆 by かばぽん
納豆にクコの実を入れました。体の中からきれいになりましょう!
■「お酒に漬ける」と、さらに何だかいいらしい???
そんなクコの実ですが、お酒に漬けているレシピもちらほら。薬膳的にはお酒に漬けるとさらにいいらしいのですが...
「酒には血を巡らせる作用があります。クコの実は前述のように血と水を補いますが、補うだけではなく巡らせる事も非常に重要です。そこでクコの実をお酒に浸けてクコ酒にする事で、より効果的にな訳です。お茶やスープ以上に、お酒だと、「巡らせる」効果が期待出来ます」
クコの実のラム酒漬け by 打ち出の小槌
杏仁豆腐などに入っている、赤いクコの実。ラム酒に漬けると、もっと色々なデザートに使えます♪
女性必見!寝る前のお猪口1杯で生理不順に効果あり♪(とりあえず1ヶ月半飲んで実感しました
ちなみに、いっしょに漬けるといいよなんてものもあるのでしょうか? 「血虚証では一緒にプルーン(生でもドライでも良いです)を浸けると良いでしょう。プルーンにも血を補う作用があります。ドライプルーンを使う場合には砂糖は控えめでも十分甘みがでますので氷砂糖を減量してください。
また、気虚証(ききょしょう:気が不足している状態。疲れやすい、食欲がない、身体がだるいなどの症状が認められる)を伴う場合には棗や少量のシナモン、クローブ、フェンネルシードなども良いでしょう」
なんだかとっても美味しそうですね! クコの実を味方につけて、これからの季節を元気に美しくのりきっていきましょう!
●取材協力 宗形佳織先生
医学博士/漢方薬・生薬認定薬剤師/鍼灸師。漢方デスクの薬膳レシピを監修。 漢方デスクでは、クコの実を始めナツメ、松の実、チョウジなど体の中からやさしく働きかけてくれる薬膳パックがセットされた商品「じぶんでつくる薬膳酒」も。 *漢方デスクのキッチンはこちら
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(2014年4月25日「クックパッドニュース」より転載)