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2015年09月21日 16時26分 JST | 更新 2016年09月13日 18時12分 JST

サイボウズ式:最速で新しい職場環境に適応するための技術

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回は、日野瑛太郎さんによる「新しい環境にすばやく適応できる人がおさえるべきポイント」について。

異動や転職といった事情で、今までいたチームを離れて新しいチームに移らなければならなくなることがあります。環境が変われば、また新しくいろいろなことを学習し、環境に適応していかなければなりません。仕事のやり方を覚えることはもちろん、人間関係も基本的には最初から構築しなおす必要があります。

僕が以前働いていた会社は異動がかなり頻繁にある会社だったので、僕自身何度かチームを移る経験をしています。すばやく新しいチームに適応できた異動もあれば、なかなか新しいチームになじめずに苦労したこともあります。新しい環境へすばやく適応ができると、自分が嬉しいだけでなく新しいチームのメンバーも喜んでくれます。すばやく環境に適応することはとても重要です。

世の中には、「環境の変化」にすばやく適応できる人となかなか適応できずに苦労する人がいます。両者の違いはいったいどこにあるのでしょうか。僕自身の経験や、あるいはチームに素早く溶け込むことができた人を分析してみると、新しい環境にすばやく適応できる人は一定のポイントをおさえていることがわかります。今日はそんな「最速で新しい環境に適応するための技術」について考えてみたいと思います。

まず把握すべきは「人間関係」

チームを移った際に、一番最初にやらなければならないことはなんでしょうか? 仕事のマニュアルを読むことでしょうか? それとも、プロジェクトの全体観を把握することでしょうか?

どちらも大切なことではありますが、すばやく新しい環境に適応したいのであればそれ以上に大切なことがあります。それは、新しいチーム内の人間関係を把握することです。名前や役職はもちろんのこと、各メンバーがチーム内ではどのような「キャラ」なのか、みんなから頼られている人がどの人で、(いればですが)要注意人物はどの人なのか、といった情報は可能な限り素早く・正しく把握する必要があります。

仕事そのものよりも人間関係の把握を優先して進めなければならない理由は、それがそもそも仕事をはじめるための前提になるものだからです。余程の能力がない限り、新人は誰かの力を借りずに完全で一人で立ち上がることはできません。質問をすべき時にそもそも誰に聞けばよいのか、どのような質問の仕方をすればよいのかといった勘所は、人間関係を把握することではじめてわかります。人間関係の把握は、チームで働くための大前提だと言えます。

そうは言っても、どうやって把握すればよいのかわからなくて困るという人もいるでしょう。前のチームのメンバーなど自分のよく知っている人が新しいチームのメンバーを知っているのであれば、その経路で情報を入手するのが手っ取り早いです。そのような共通の知人がいないのであれば、新チームの中で自分と年齢や立場が近い人をひとり捕まえて、ざっくりと聞いてしまうという手もあります(たとえば「◯◯さんって、どういう人ですか?」というように)。必ずしも確度が高い情報が得られるとは言えませんが、過去にやりとりされた社内メールやSNSなどを見てみるというのも時には役に立つかもしれません。

わからないことは「自分で調べること」と「人に聞くこと」に分類する

人間関係を把握したら、いよいよ仕事内容を覚える段階に進みます。前のチームでやっていた仕事と近い仕事を任せられたというのであればあまり問題はないかもしれませんが、チームが変わることでまったく種類の違う仕事を一から覚えなければならなくなることも少なくありません。

そういう場合は容易に「わからないことばかり」の状態に陥ります。会議で出てくる用語の意味がわからない、手続きの方法がわからない、みんながすごいと言っていることの何がすごいのかがわからないなどなど、新しい環境には「わからないこと」がほぼ必ず存在します。

新しい環境に素早く適応したいのであれば、「わからないこと」をそのままにしておいてはいけません。わからないことに出会ったら、とりあえずわからなかったことをメモし、あとで必ず解決させます。これをどれだけ意識的にできるかが、新しい仕事を素早く覚えられるかに関わってきます。

「わからないこと」に出会った場合、解決方法は大きく2つに分かれます。「自分で調べる」か「人に聞く」かです。ある「わからないこと」を解決する際に、どちらを選択するかは重要です。ググればすぐにわかることを人に聞いてばかりいると、鬱陶しい人のように思われます。一方で、チームの独自ルールや用語などは人に聞かなければ絶対にわかりません。こういう情報は人に聞いて解決しないと著しく時間をムダにします。

用語などがどちらに属するものなのか判然としない場合は、とりあえず最初にググってみるというやり方がおすすめです。情報が出てこなかったり、世の中一般で使われているニュアンスとチームでの使われ方が違うようであればそれはほぼチーム独自の用語です。その場合は人に聞いて解決しましょう。また、質問はある程度まとめて一気にするようにすると、相手に鬱陶しく思われずに済みます。

最初の信頼獲得がカギ

これは人間関係一般について言えることですが、最初に形成された印象はなかなか変わるものではありません。そういう意味では、新しいチームに入ってから最初にする仕事はかなり重要だということになります。最初に任せられた仕事で周囲の期待に応えることができれば、チームの中で一定の地位を築くことができます。逆にいい加減な仕事をすると、その負の印象がずっと定着します。最初の信頼獲得が今後の働きやすさを決めるといっても過言ではありません。

ですので、新しい環境で一番最初に取り組む仕事には全エネルギーを集中するだけの価値があると言えます。どんな仕事にも全力で取り組むべきだという考え方には、僕は賛成しかねるのですが(仕事の重要度に応じて出力するエネルギーを適宜調節することは燃え尽きを防ぐためにも重要だと個人的には思います)、それでも最初の仕事ではエネルギーの出力を最大にしなければなりません。「環境が変わったばかりだからうまくできないのはしょうがない」という言い訳は、長期的には自分を苦しめることになります。

みなさんがすばやく新しい環境に適応し、チームメンバーの最初の信頼を獲得できることを祈っています。

日野瑛太郎さんより

普段は「脱社畜ブログ」というブログで、日本人の働き方の記事を書いています。このブロガーズ・コラムでは、チームワークという観点から働き方について新たな視点を提供できればと思っています。

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サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。

本記事は、2015年2月16日のサイボウズ式掲載記事「最速で新しい職場環境に適応するための技術」より転載しました。

イラスト:マツナガエイコ