ケンブリッジ大学の天文学者が、EBLM J0555-57Abと呼ばれる星が土星とほぼ同じぐらいの大きさしかない恒星であることを発見しました。
このサイズだと星は恒星になり損なった"褐色矮星"になるのが普通ですが、この星の場合は熱核融合反応を起こすのに十分な質量、重力を備えていたため光り輝く恒星になれたと考えられます。
これまでに確認されていた最も小さな恒星は、木星より20%ほど大きい赤色矮星OGLE-TR-122bでした。
研究では、構成になれる星の重さは最小で0.07~0.08太陽質量とされ、0.081太陽質量とされるEBLM J0555-57Abはまさに最低のギリギリのところで恒星になれたといえるかもしれません。
ただ、数字的にはさらに小さい恒星が見つかる可能性はまだ残されているとのこと。
EBLM J0555-57Abは地球から約600光年の位置にあり、連星をなす自分より大きなほうの恒星のまわりを7.8日周期で公転しています。そして、通常なら太陽系外惑星をみつけるのと同様、大きいほうの恒星の前を横切るところを発見されました。
なお、これほど小さな恒星は発見すること自体が難しく、まだわからないことも多くあるとのこと。
7つのハビタブル惑星を持つことで話題となった赤色矮星TRAPPIST-1は木星とほぼ同等の大きさでしたが、EBLM J0555-57Abはそれにくらべ半径が30%も小さい土星サイズ。
しかし両者の質量はかなり近く、このような恒星が地球のような大きさと大気を持つ惑星を従えている可能性もあります。
研究チームのひとりAmaury Triaud氏は「小さな恒星は地球のような大気圏を持つ惑星に最適な環境を作り出しやすいと考えられる」と語ります。
さらに別の研究者は「しかし、その惑星を理解するには、基本的に惑星が周回する恒星についても知っておく必要がある」としています。
(2017年7月14日engadget日本版「史上最も小さな恒星を発見。土星と同等サイズ、地球から600光年の場所で別の恒星を周回」より転載)
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