米国運輸省は、個人が趣味などで購入し所有するドローンについて、登録義務を課す制度の導入を検討しています。来月20日までを目処に、全米家電協会(CEA)や米空港役員協会(AAAE)といった複数の業界団体を招集し、登録プロセスを提言する委員会を開きます。
米国では今年に入りドローンによるトラブルが頻発。NBCニュースによれば 2014年の3倍近い700件前後に達しています。 ドローンと言っても、その種類はさまざま。日本でも首相官邸への落下で話題となった DJI や 3D Robotics などのプロ~ハイアマチュア向けドローンはほぼ間違いなく登録対象になると思われますが、手のひらに乗るような、いわゆるトイドローンの類まで含まれるのかはまだわかりません。
また、すでに購入済みのドローンについても、米国運輸省は登録を義務付けたい方針。しかし、使用者本人が名乗り出なければ実現は困難と予想されます。
米国では今年に入り、ドローンによるトラブルが急増。カリフォルニアの山火事では消火活動区域にドローンが侵入し、ヘリコプターの消火活動を一時中断させるといったはた迷惑な事例が発生したほか、全米オープンテニスの会場でドローンが落下した事例はまだ記憶に新しいところです。
特にドローンの航空機への異常接近が相次いでおり、離着陸体勢で高度が低い時にパイロットが機体のすぐ近くにドローンを目撃する事例は後を絶ちません。このままだとバードストライクならぬドローンストライクによる航空機事故の発生も懸念されます。
米国運輸省は、ドローン登録制の導入で、こうした危険飛行をするドローンの使用者を特定可能だと説明。クリスマス商戦が本格化する前には登録制を導入したいとしています。
ちなみに、日本ではドローンの飛行を規制する法案が9月に成立しており、年内に施行されることが決まっています。内容は、夜間の飛行や住宅密集地、空港周辺での飛行禁止のほか、人が多く集まるイベントなどでの飛行規制など。これらに違反した場合は、50万円以下の罰金が課せられます。
さらに、今後はドローンの登録制や免許制度の導入などを課題とした議論も進められる見通しです。
[Image credit: Getty Images]
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(2015年10月21日 engadget日本版「ドローン規制開始? 米運輸省がドローン購入者登録制度を検討。航空機への異常接近など相次ぐ危険行為に対処」より転載)