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地球温暖化による、かつてない災害リスク。NTTはどんな技術で立ち向かうのか

直流技術、太陽光発電とICT技術の融合で、環境問題に取り組む。朝日地球会議2020レポート
豪雨災害の被害も増加している。
豪雨災害の被害も増加している。
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平均気温の上昇で、豪雨災害が増えている

新型コロナウイルスの影響で、オンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)で、NTTの岡敦子・技術企画部門長が講演した。日本でも平均気温が上がり、かつてない規模の災害へのリスクが高まる中でNTT がどのような技術で持続可能な社会を目指しているのか。

岡氏は講演の冒頭で平均気温が上昇しているという事実を示した。それに伴い降水による災害も増えている。1時間降水量50ミリ以上の年間発生件数は1990年代からの10年では258件(年平均)だったが、最近の10年を比較すると311回(同)まで増えている。90年代から1.2倍にも増えた。

今後の気温の推移予測について語るNTTの岡敦子・技術企画部門長。温暖化対策を実施する場合としない場合では、2100年には3.3℃も気温が異なるとのことだ。
今後の気温の推移予測について語るNTTの岡敦子・技術企画部門長。温暖化対策を実施する場合としない場合では、2100年には3.3℃も気温が異なるとのことだ。

「地球温暖化対策に手をつけなければ、気温の上昇はさらに続くと予想されている。作物の収集や水の利用可能性が減少する。熱波や極端な降水が続く。災害の大規模化、広域化によって災害から復旧の遅れも問題になる。大雨によって電柱が折れる、停電が起きて携帯電話が使えなくなることも起きる。できる限り、安定した通信インフラを提供したいのだが、どうしても起きてしまう」

一例としてあげたのは記憶に新しい2019年の台風19号、21号だ。岡氏は、こうした災害の広域化に対応するために必要なのは、環境に適合した技術開発と増加する自然災害への対応力の向上=レジリエンスだと指摘する。その支えになるのが、NTTが保有している技術だ。

昔から持っている2つの技術

代表格は直流技術と太陽光発電だ。

「NTTには通信用蓄電池を設置した電話局のビルが全国に7300あります。その中では蓄電が可能な直流技術を利用しています。実際にはビルは交流で電源を取っていますが、直流をうまくつかえば蓄電や省エネ化が実現できます。交流と直流はどちらが優位というわけではなく、うまく使い分ければいいのです。昔の家庭の黒電話は電源なしで使えました。電話局から直流で給電しているからです。NTTでは太陽光発電もかなり早い時期から導入しています。私たちはこれらの技術をICTで束ねて活用しようと考えています」

昔の家庭で使用されていた黒電話。電話局から直流で給電していたので、電源なしで使えた。
昔の家庭で使用されていた黒電話。電話局から直流で給電していたので、電源なしで使えた。
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NTTは1962年に福岡県に公衆電話用の太陽電池技術を導入した。これは新幹線の開通より前だ。そして1989年には北海道にある山間僻地サテライト公衆電話BOXに太陽光パネルを導入している。NTTは小規模分散型のエネルギー開発に強みがある。小規模なエネルギーであっても、ICT を活用することでスマートコミュニティを支える技術になるという。

様々な企業と協力・提携して課題解決に挑む

今後はどうなるのか。NTTは2019年6月にNTTアノードエナジーを設立している。これはスマートエネルギー事業の取り組みを推進するための会社だ。

「コネクテッドバリューチェーンによって産業を活性化し、分散型システムによるエネルギー利用の高度化、そして再生可能エネルギーを中心とした循環型社会の実現を目指していきます」

千葉市では東京電力とともにバックアップ電源事業が進んでいる。太陽光発電で蓄電池に余剰蓄電し、非常時に活用できる体制を整えている。北九州市などでも取り組みが始まっている。さらに太陽光以外の発電についてもパートナー企業との業務提携が進んでいる。

2020年の7月には地熱発電事業で「ふるさと熱電」と資本提携し、同年8月には国内木質等バイオマス発電事業で「フォレストエナジー」との資本業務提携が決まった。単独事業ではなく、パートナーと協力・提携することで、課題解決に向けて動き出している。

テレワークにより、一人当たりの二酸化炭素の排出量が減少するという試算もされている。
テレワークにより、一人当たりの二酸化炭素の排出量が減少するという試算もされている。
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在宅勤務を支えるICT技術

NTTグループではESG経営も推進している。2025年に通信事業のエネルギー効率を2倍にするというのが目標だ。2020年5月に日立、リコー、東京電力などとEVコンソーシアムを設立し、目標に向かって動き出している。その活動内容を岡氏が説明した。

「まず車両仕様の共通化です。会員企業の共通仕様の提言をめざしたいと思います。さらに脱炭素化の推進と関連情報の共有です。例えば災害時に電動車を実際に活用するための情報発信などを考えています。そしてNTTでは社用車のEV化を進め、2025年までに50%、2030年には社用車の100%EV化を目指します」
最後にNTTの環境エネルギービジョンが示された。柱はグリーン電力の推進、ICT技術におる社会の環境負荷低減、圧倒的な低消費電力の実現、革新的なエネルギー技術の創出だ。

新型コロナ下で進んだテレワークによって、一人当たりの二酸化炭素排出量は減るという試算が出ているという。

「しかし、在宅勤務にもいろいろな支えがいる、NTTが在宅勤務を支えるようなICT技術を提供したい」

岡氏は一社だけでは持続可能な社会は実現しないと語る。

「社会的課題は大きいので、皆様とオープンな形で解決に取り組んでいきたいと思っています」

(執筆:石戸諭)