2019年05月21日 11時55分 JST | 更新 2019年05月30日 14時58分 JST

ミレニアル世代の次は「Z世代」彼らが求める働き方とは

株式会社CAMPFIREの23歳事業責任者に聞く「Z世代の働き方」

Z世代という言葉を聞いたことがあるだろうか。1990年代後半に生まれ、子どもの頃からインターネットに慣れ親しんできた「デジタルネイティブ」のことだ。

2020年には世界の労働力に占めるZ世代の割合は20%を超える*といい、企業にとって、彼らが理想とする働き方や人生観を知り、そのための社内の仕組みを整えることは重要な課題となるだろう。

Z世代のリアルな声を求めて、若手社員の活躍が目立つクラウドファンディングサービスを運営するCAMPFIREを訪ねた。

ハフポストの取材に応じたのはCAMPFIREの大橋桃太郎さん(23)。1996年生まれのZ世代だ。

Masanori Sugiura
インタビューに応じる大橋さん

CAMPFIRE入社「きっかけはTwitter」

──CAMPFIREはネットで寄付や支援を募るクラウドファンディングのサービスを提供されていますね。Z世代ならではの事業のように思いますが、なぜ入社しようと思ったのですか。

元々は広告代理店で働いていました。高校を中退して大学に入り、在学中にインターンとして働いたのですが、仕事が面白くて、大学をやめて入社してしまいました。

最後は副社長を任せていただいたのですが、大学院に進学し、広告の仕事にとどまらず、個人や企業に直接価値を提供できるような仕事に就きたいという思いが強くなり、退職にいたりました。

大学院の講義の中で、社会問題に取り組む企業家を支援する会社の幹部から話を聞く機会があって。事業を通じて喜ぶ人の顔が見えたり、イメージできたりする仕事をやってみたいと思うようになったんです。

そんな時、高校生のころからTwitterで相互フォローしていた弊社の社長、家入一真の投稿からCAMPFIREの存在を知りました。

「この会社、何やってるんだろう。直接聞いちゃえ」って思って、家入にダイレクトメッセージ(DM)を送り、やりとりを続けるうちに「入りたいです」って思い切って言ったんです。そしたら家入から「いいよ」って返ってきて。

──TwitterのDMで連絡を取り、入社までこぎつけてしまうのはさすがZ世代を思わせますね。CAMPFIREではどんなことをやっているのですか。

今は新規事業の責任者です。入社当時はキュレーターというクラウドファンディングのプロジェクトをサポートする仕事をしていました。

それが2018年の秋、家入から「新規事業、やらない?」って声をかけられて今のポジションに就きました。

──若くしてチームのリーダーになったのですね。

活躍している若手は多いですよ。社員の平均年齢も31歳で20代が4割、30代が5割を占めています。

少し大きな話をすると、クラウドファンディングが日本で誕生したのが2011年ごろで、まだ歴史が浅いんです。

だから経験あるプレイヤーがそもそも多くなくて、そういう意味では、年齢はあまり関係ないですよね。

例えばうちのチームは、僕を含めて4人いますが、エンジニアは16歳。高校を辞めて奈良から上京してきたんですよ。単身で。

──今時、なんでしょうか。

いやいや、さすがにこんな人は滅多にいないです(笑)。でも、他の部署では20代前半で海外赴任をしている人や外国の人もいて多様性ある職場です。

社員の年齢が若く、国籍も多様。うちの会社、社員の裁量がすごく大きい。家入含め、役員の方々もスピード感ありますよね。

もちろん、稟議とかはありますけど、基本的には現場の僕たちに任せてもらってる感じです。

MASANORI SUGIURA
大橋さんのように高校生・大学生時代から一般企業で働き、その経験を早い段階からキャリアに生かす人材は今後より一層増えていくだろう。また、SNSに慣れ親しんでいる世代としてグローバルな就労環境に興味を持つ人も少なくはない

最新テクノロジーやツールは「積極的に使ってみる」

──大橋さん以外のZ世代の同僚たちは、どんな思いで入社したのでしょうか。

共通しているのは、「世の中こうあってほしい」「この問題はこうした方がいい」と、自分なりの意見をはっきり持っているということですね。

イケてるビジネスマンになりたいとかではなくて、社会問題について本気で考えている人が多い気がしますね。

──大橋さんが考えている課題はなんでしょうか。

もちろん社会課題もあるのですが、もっと具体的に言うと、例えばクラウドファンディングでたくさんお金を集める人って、結局、SNSのフォロワー数の多さだったり、発信力が強い人が有利になる傾向にあります。

クラウドファンディングが持つ本質、「機会均等」が実現できていないんですよね。

でもクラウドファンディングという仕組みや思想はものすごく共感するので、どうやったらより「機会均等」の本質に近づけるのかということをテーマにしています。

──チームのマネージメントはどうしているのですか。

僕のチームは人数がまだまだ少ないのですが、あらかじめルールを決めておくことは大事にしています。

事業を1分1秒でも早く進めるために必要以上のやり取りを減らし、その決定に至った経緯やほかにどんな選択肢があったのかなどをドキュメントに残すようにしています。

そうすれば後から各自が確認できるので、そのようなルールを最初に決めてしまいますね。その上で、ルールに問題が生じたら、その都度、適宜修正していきます。

属人的な関係に依存しないことが、事業を進める上で効率さやスピードを発揮していると思います。

──そうしたルールを機能させるため、使っているテクノロジーやツールは何ですか。

まず、チャットツールとして「Slack」を使っています。何かを取り決める時の会話がそのまま残せますよね。一方で、様々な情報を一元管理できる「Notion」も使っています。

Slackは情報が流れていくツールですが、Notionはどんどんため込むことができます。だから、僕が明日急にいなくなっても何の問題もありませんね(笑)。

──用途によってうまくツールを使い分けているんですね。新しいツールなどはご自身で見つけているんですか。

全社的にツールの情報収集はとても活発ですね。特にエンジニアからの発信が多いです。

使ってみて便利だと思ったら、1週間後とかに社内で「使い方説明会」が自然と開かれてほかの社員も使い出すという広がり方もあります。

職務間の「壁」がないからこその現象だと思いますし、各社員とも知見や情報は頻繁にシェアしていますね。

全世界約1万2000人のZ世代を対象にしたテクノロジーと将来のキャリアに関するDell Technologiesの調査によれば、Z世代は基本的にテクノロジーとの親和性が高い

──大橋さんの世代は、子どもの頃からインターネットやデジタルデバイスに慣れ親しんできたZ世代と呼ばれています。大橋さんにとってもネットやパソコンは身近だったのですか。

とても身近なものでした。学区外の小学校に通っていたこともあり、両親が安全のためにと渡してくれた携帯電話で、ネットにつなぎすぎて怒られたのをよく思い出します。

身近にあり楽しみつつも、「危険だ、使いすぎるな」とよく大人からは言われ、「そんなことばっかりじゃないのにな」と思ってましたね。

それにどんどんインターネットサービスやデバイスが進化していく時代に育ったので、強い好奇心を持って触れていました。

──Dell Technologies(デルテクノロジーズ)がZ世代を対象にしたアンケート調査を実施しています。その中で、Z世代の人たちは最先端のテクノロジーにとても興味があるという結果が出ています。

いやあ、わかりますね。わざわざ不便なものをよくわからないルールで使いたくないという思いが強い気がしますね。

レガシーな企業などは、前の部長が稟議で通して決まっているからこのツールを使ってくれとか、僕からしたら理解しがたい理由で決まってしまっている。

でも、僕を含め、CAMPFIREのZ世代社員は、会社のミッションを近道で実現するという観点からツールを選んでいると思いますね。

何を使えば一番ストレスなく、効率よくできるかという考えがあると思います。

Z世代の調査では最新テクノロジーを使用して働く環境を求めていることがわかる

働くことにお金以上のものを求めている

──調査では、Z世代は働くことについて金銭的なもの以上の何かを求めているという結果も出ました。

会社のミッションもそうなんですが、自分がこうだったらいいなと思っていることや、こうあって欲しいという願い、あるいは原体験とかが土台にあって、その上でミッションが果たされるといいよね、という感覚があります。

つまり、ミッションも一つのツールという意識でしょうか。

例えば、「CAMPFIREで働くことを目的」にしている社員はいないと思うんです。みんな、自分なりのミッションを持っていて、それがCAMPFIREだったら実現できそうだと考えているんだと思います。

あと、給料について言えば、若い人にとっては短期的な話であって、それよりも僕たちは中長期的に役立つことや、いい経験の方を重視していると思うんですね。

そういう意味では、まだまだ新興のクラウドファンディング業界の中で、ちょっともがいてみるという経験はすごく役に立つ気がします。

Z世代は金銭的なものより経験を重視し、目的を持って仕事に取り組みたいと考えている

2008年にリーマンショック、2011年には東日本大震災が起きました。震災当時、僕は中学3年生でしたが、子どもながらに、人生観を変えるすごいインパクトがありました。

物理的なものやお金があれば幸せなのか、いや違うんじゃないかって、僕も含め、Z世代の人たちの中には考え始めた人も多いのではないかと思います。


デジタルネイティブ世代に備え、ツールやデバイスの見直しが求められている


企業が多額のお金をかけて人材獲得に尽力し、新たな制度を設けるなどして社員が定着するよう取り組む中、若手の採用に成功している企業は、Z世代の求めるもの、やりがいや環境を与えている。

 

CAMPFIREでは、簡易的な承認システムのみでデジタルツールをトライアル導入できるという。大橋さんも「新しいデジタルツールを利用するのは楽しみでもあります」と述べた

仕事のやりがいや社会的意義などは、個々人や各企業それぞれではあるが、ツールやデバイス面に関しては、企業格差が発生することはほとんどなく、かつ改善がしやすい。

ツールやデバイスの快適な環境がデジタルネイティブなZ世代にとって重要だということがわかった今、採用や社内の環境整備に悩んでいる担当者は、テクノロジー面から新しくするのが先だろう。

Z世代、テクノロジーだけでなく社会貢献を重視。調査で判明

大橋さんが語った仕事への思いや最新のテクノロジーへの関心の高さは、Z世代を対象にしたDell Technologiesのアンケート調査の結果とも重なる部分がある。

調査によると、「Z世代は最新のテクノロジーを使って働きたいと考えており、その知識を共有したいと考えている」との結果が出た。

大橋さん自身、「会社のミッションを近道で実現する」ため、最新のデバイスやツールを抵抗感なく仕事に活用したいとの思いを明かしている。

デルの常務執行役員、山田千代子さんは、「便利だと感じたら新しいツールでもすぐさまビジネスの現場で使おうとする大橋さんの姿勢には、スピード感があって、Z世代ならではの感覚」と指摘、その上で「Z世代が加わることで、職場環境が急速に変化していくことを予感させる」と分析する。

同社はパソコンメーカーとしてZ世代が使いやすいデバイスの開発を進めているという。また、山田氏は「デルにとっても、ユーザーがストレスなく仕事ができるかどうかはPCを開発する上で非常に重要なポイントです」と話す。

特に気を使うのが、安全性の確保と使いやすさの両立で、「セキュリティーは担保したいが、長いパスワードを設定し毎回入力させるのは非効率です」と述べる。

こうした課題に対応するため、一部の最新モデルには、直接パスワードを打ち込まなくても、人の存在を感知して自動的にパソコンを稼動状態にできるものを実現した。

一方、デルはハード面だけでなく、OSについても、Windows 7よりセキュリティー対策が強化されたWindows 10への更新をユーザーに促している。

山田さんは「最新のテクノロジーをタイムリーに取り入れてユーザーに満足していただき、IT管理部門のニーズにも応えるようなソリューションを提供できるよう注力しています」と話している。

働く人々が快適に業務を行えるデバイスを全方面的に提供するデルの製品一覧はこちら
*Dell Technologies調べ