阪神・淡路大震災から学ぶ、「通電火災」の恐ろしさ。防ぐために必要なこととは?

阪神淡路大震災をきっかけに、電気火災への注目が集まりました。知っておきたい対策を伝えます。
火災を起こし燃え上がる住宅などの建物(兵庫県神戸市、1995年1月17日撮影)
火災を起こし燃え上がる住宅などの建物(兵庫県神戸市、1995年1月17日撮影)
時事通信社

6434人の命を奪った阪神・淡路大震災。この災害をきっかけに、「通電火災」など電気火災の危険性に注目が集まりました。

通電火災とは、停電後に電気が復旧した際に発生する火災のことです。防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

地震火災の過半数が「電気」が原因

阪神・淡路大震災では神戸市長田区などで大規模な火災が発生し、7000棟以上の建物が焼失しました。

総務省消防庁の集計によると、阪神・淡路大震災における出火件数は285件とされています。出火原因が明らかなもののうち、約6割が電気火災でした。

電気火災とは、地震の揺れによる電気機器からの出火や、停電が復旧した時に発生する通電火災などを指します。

2011年の東日本大震災で発生した地震火災でも、主な原因となったのは電気関係の出火で、7割近くに達していました。

次々と延焼する住宅(兵庫・神戸市兵庫区上沢通、1995年1月17日撮影)
次々と延焼する住宅(兵庫・神戸市兵庫区上沢通、1995年1月17日撮影)
時事通信社

通電火災は時間差で発生する

通電火災の恐ろしさは、地震から時間が経過した後に発生するということです。

転倒したヒーターなどの電気器具に可燃物が接触した状態で通電した際に着火するケースや、通電時に発生した火花が漏れ出たガスに引火し、爆発するケースなどがあります。

避難して人のいなくなった室内から出火するため、発見が遅れ、初期消火ができずに被害が拡大する危険性があります。

内閣府が公表した「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会」の報告書では、「阪神・淡路大震災以前には、このような電気火災の危険性が十分に認識されておらず、通電後の火災への対策の必要性が認識される契機となった」とまとめられています。

避難時は「ブレーカー」を落とそう

通電火災を防ぐには、避難時に「ブレーカーを落とす」ことが有効な対策の一つです。

まずは身の安全を守ることを最優先にして、避難をする際は、ブレーカーを落とすようにしましょう。

消防庁が作成した地震火災対策の映像では、3つのポイントが紹介されています。

通電火災を防ぐには...

①停電時は電気機器のスイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く

②避難する時はブレーカーを落とす

③通電後は、しばらく電気機器に異常(煙、におい)がないか注意を払う。また、破損がないか確認する

ブレーカーを自動で落としてくれる「感震ブレーカー」も

しかし、大地震という有事の際には、ブレーカーを落とすなどの冷静な対応が難しい場合もあります。

事前の対策として役に立つのが、「感震ブレーカー」という装置です。地震時に一定以上の揺れを感知した場合に、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に遮断してくれます。

感震ブレーカーには内蔵型や後付け型など複数の種類がありますが、数千円程度で取り付けることができる簡易タイプもあります。

なお、感震ブレーカーの設置は、急に電気が止まっても困らないための停電対策もあわせて取り組む必要があります。たとえば、夜間に備えて、停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具をしっかり常備しておくようにしましょう。

また、地震火災を防ぐために、普段からストーブなどの暖房機器の近くに可燃物を置かないことや、家具の転倒防止対策を行っておくことも大切です。

大地震は、いつ起きるかわかりません。阪神・淡路大震災の教訓を忘れず、有事に備えておくようにしましょう。

参考資料:大規模地震時の電気火災抑制策の方向性について」(内閣府:大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会の報告資料より)

出典:消防庁ホームページ「地震火災~あなたの命を守るために出来る事~

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