2021年03月24日 10時20分 JST | 更新 2021年03月24日 11時13分 JST

小島慶子さん「病は心掛けの問題ではない」働く人の1/3が病を抱える今、仕事と病を両立できる社会へ

「ワークシックバランス」が求められる時代。製薬会社ヤンセンファーマが力を入れる炎症性腸疾患(IBD)患者への取り組みから見えてきた、新たなダイバーシティ&インクルージョンの課題。

ヤンセンファーマ

「もしも大きな病気にかかったら、仕事はどうなる?」自分や周囲の人が体調を崩した際、ふと不安を感じたことのある人もいるのでは? 育児や介護など、様々なチャレンジを抱えながら柔軟に働かなくてはならない現代、病気をマイナスととらえず、仕事と病を両立できる社会づくりが課題とされている。

◾働く人の1/3が病を抱えている

製薬会社のヤンセンファーマが全国の就労中の男女1000人を対象に実施した「仕事と病の両立」に関する実態調査(*1)によると、働く人の3人に1人(32%)が定期的に通院を必要とする疾患を抱えていることが明らかに。疾患は、高血圧、糖尿病、がんなど実に多岐にわたる。

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「Q.あなたは現在、定期的に通院が必要な持病(医師から診断されたもの)がありますか。あてはまる病気をすべてお選びください(いくつでも)」の回答。n=1000

また、持病を抱えている人のうち、半数以上(55%)が早退・遅刻せざるを得ない時があるなど仕事や日常生活に影響があると回答。

その反面、持病について上司に詳しく伝えている人は 32%にとどまり、「自身の病気のことを言いにくい」「サポートを期待できない」など不安の声があがった。

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「Q.あなたは会社の上司・同僚や人事にご自身の持病・疾患のことを伝えていますか。」の回答。n=316(通院が必要な持病がある人)

◾「ワークシックバランス」が重要

そこで注目されているのが「ワークシックバランス」 だ。

ワークシックバランス(work sick balance)とは、その名の通り、病があっても自分らしい働き方の選択ができることを目指す考え方。国の難病に指定されている炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)の患者さんに“自分らしくはたらく”ことをもっと当たり前にしてもらおうと、ヤンセンファーマが2020年に提唱し始めた。

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*厚生労働省「平成25年度国民生活基礎調査」

IBDは主に潰瘍性大腸炎とクローン病を指す慢性の病で、小腸や大腸の粘膜の炎症により腹痛や下痢、血便などが起きる(*2)。また、10代、20代で発症することが多く、患者の多数が働き盛り世代とも言える30〜40代だ。症状が周りから見えにくく、腸に関する疾患のため周りに伝えにくいことから、周囲の理解や配慮を得にくく、就労に悩みを抱えているケースが少なくない。一方で、適切な治療によって良い状態を維持できれば、病気でない人と大きく変わらず働くこともできる。

 小島慶子さん、病は「心掛けの問題ではない」

そんなIBDを事例に、仕事と病の両立支援を考えるイベント「ワークシックバランスひろば」が昨年末に開催され、エッセイスト・タレントの小島慶子さんらが意見を交わした。

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「ワークシックバランスひろば」トークセッションの様子。左から、リモート参加した北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター(IBD センター)副センター長の小林拓医師、エッセイスト・タレントの小島慶子さん、クローン病を患いながら自分らしいワークスタイルを送る奥野真由さん。

自身も会社員だった頃に病気の治療と仕事の両立を経験し、友人がIBDでもあるという小島さんは、「周囲の人は、我慢できないの? とか、繊細だからお腹が痛くなるのだろうと思うかもしれないが、IBDは心掛けの問題ではないということが、正しく知られると良いと思う」とコメント。

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エッセイスト・タレントの小島慶子さん

「安心して働き続けられる職場が当たり前になるよう、職場づくりの根本から認識を変えることが、患者さんだけでなく周囲の方にも良いと思う。病気の人も病気を抱えていない人も、仕事も私生活も自分にとって満足いくものにしたいのはみんな同じ。身近な人との会話のきっかけになれば」と続けた。

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トークセッションにリモート参加した小林医師

IBDを専門とする小林医師は、「医療従事者はシックにばかり注目しがちだが、患者さんが就労や毎日大切にしていることと共に自分らしく過ごしていただくために、我々も環境づくりが必要。ワークやライフにも目を向けていかないといけない」と述べた。

「現在はクローン病を開示し、上司も理解してくれている安心感がある」という奥野さん。「病気のこと打ち明けるか打ち明けないか、悩む方が多いと思う。私は、後で自分が苦しい思いをしないような選択をしたいと考え、就職活動をした。病気がないことが健康ではなく、健康の定義も時代とともに変わっていくし、人によって異なるもの。みんながプラス思考になれるとよい」と話した。

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小島慶子さん(左)と、クローン病を患いながら自分らしいワークスタイルを送る奥野真由さん(右)

また、患者自身ができる工夫についても指摘。「企業側のサポートも重要だが、患者さん自身も伝える力を磨いてみると良いと思う。職場の無理解を嘆く人も多いが、自分自身の強みをアピールできるような伝え方を磨くことも必要。お互いが歩み寄ることで、ワークシックバランスが叶えられると思う」と語った。

ロボットが病気の人の代わりに“出社”

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リモートワーキングロボットとトイレットフリーペーパー。リモートワーキングロボットはオフィスを自由に動き回り、在宅勤務をする患者さんが出社している感覚でコミュニケーションを取れる。患者さんが在宅勤務しやすい環境づくりを後押しする新たなツールとして期待される。

「ワークシックバランスひろば」 では、他にもワークシックバランスとIBDの情報を印刷した「トイレットフリーペーパー」や、在宅勤務をする患者さんの代わりにオフィスへ“出社”してくれる「リモートワーキングロボット」などを紹介。

参加者は、離れた場所からでもまるで近くにいるようなコミュニケーションが取れるロボットを実際に操作するなどして、「ワークシックバランス」に対する理解を深めた。

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パネルでは、IBD患者のリアルな声も紹介

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◾️病を抱えながら自分らしく働くために

IBDは国が指定する難病だが、それは「完治が難しい病気」という意味であり、決して「働くのが難しい病気」という意味ではない。

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多くの人が病を抱えながら働く今、「ワークシックバランス」の実現が求められる。(イメージ画像)

患者さんが病を抱えながら自分らしく働くためには、自身に合った適切な治療方法で症状をコントロールするとともに、周囲の人々が理解を示し、働きやすい就労環境を共に築くことが重要だ。

ヤンセンファーマでは、「IBDの患者さんをはじめ疾患を抱える方々が自分らしく働くことを当たり前にしていきたい」そんな思いで、「IBDとはたらくプロジェクト」を発足。IBD患者さんへのサポートと働きやすい環境を広げるサポートをしている。また、「ワークシックバランス」の実現を目指し、リアル、オンライン双方のイベントも開催している。あなたも「ワークシックバランス」について考えてみませんか。

ヤンセンファーマ「IBDとはたらくプロジェクト」

*1〈 調査概要 〉
調査方法:インターネット
調査会社:楽天インサイト
調査対象者:全国の29歳〜69歳の就労中男女1000名
調査期間 :2020年10月19日〜10月23日
 
*2 参考文献:厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」2016