ウクライナの4州をロシアに塗り替えた地図、モスクワで販売開始

ロシア国民に向けて「ウクライナ4州の併合」を誇示する狙いがありそうだ。
2022年10月12日、モスクワで、併合されたウクライナ領を含むロシアの地図を示す画面を見る女子学生。
2022年10月12日、モスクワで、併合されたウクライナ領を含むロシアの地図を示す画面を見る女子学生。
ALEXANDER NEMENOV via Getty Images

軍事侵攻したウクライナの4州を一方的にロシア領とした地図の販売が、モスクワで始まった。ロシア国営メディア「RIAノーボスチ」の公式SNSが10月12日に報じた。

この地図では10月5日、ロシアのプーチン大統領が法令に署名して「併合」手続きをしたウクライナの4州(ドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソン)内の地域と、2014年に同様に「併合」したとするクリミア半島がロシア領として色が塗られている。

ウクライナ・プラウダによると、ロシア政府の土地登記サービス「Rosreestr」のデータに基づいて、ロシア地図作成センターがこの地図を作成したという。ロシア国民に向けて「ウクライナ4州の併合」を誇示する狙いがありそうだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに対抗して、4州の「併合」は無効だとする法令に署名している。また10月12日の国連総会では「ロシアのいかなる併合主張も認めないことを求め、併合宣言の即時撤回を要求」する決議が、過半数を大きく超える143カ国が賛成して採択された

ロシア国内の地図は書き換えることができても、世界のほとんどの国の地図に変化が起きることはなさそうだ。

注目記事