「結婚の平等」裁判は全国で3件の違憲判決。同性カップルの結婚に向けた大きな判断

「同性婚」とも呼ばれる「結婚の平等」訴訟。これまで4つの判決のうち3つで同性カップルが結婚できないのは「違憲」という判断が示されています
HuffPost Japan

「法律上の同性カップルが結婚を認められていないのは憲法に違反する」として、LGBTQ当事者らが国を訴えている「結婚の自由をすべての人に」訴訟。

2019年2月に始まったこの裁判は、6月8日に言い渡される九州訴訟判決で、全国各地域の一次訴訟の地裁判断がすべて出揃います。

これまでに言い渡された全国4カ所での地裁判決のうち、札幌、東京、名古屋の3カ所で、同性カップルが結婚できないのは「違憲」という判断が示されています。

もし、法律上の性別が同じふたりの結婚を認めない今の制度を憲法違反とする判決が確定すれば、婚姻に関する法律の改正が行われることになり、日本で結婚の平等が実現する大きなステップとなります。

各地裁はそれぞれ、どんな点を「違憲」、もしくは「合憲」と判断したのでしょうか。

◼️札幌地裁(2021年3月17日)

・違憲:憲法14条1項に違反

最初の判決となった札幌地裁は、同性カップルの結婚が認められないのは「法の下の平等を定めた憲法14条1項に反する」という判決を言い渡し、大きな注目を集めました。

この違憲判決のポイントの一つになったのが「結婚の利益」です。

武部知子裁判長は「婚姻制度は多くの利益をもたらすが、現在の民法では異性カップルのみが利用でき、同性カップルは一切使えない。それは、差別を禁じた憲法14条1項に違反する」と判断しました。

◼️大阪地裁(2022年6月20日)

・合憲

2件目となった2022年6月の大阪地裁判決で、土井文美裁判長は憲法14条、24条のいずれの違反も認めず「合憲」としました。

ただし、その中で原告にとって歓迎できる判断もありました。

大阪地裁は、結婚には「社会の中でカップルとして公に認知され、共同生活を営める」という利益があり「それは同性カップルに対しても認められる必要がある」と認定。

「このまま同性カップルに何も保障がない状態が続けば、将来的には憲法24条2項違反になる可能性がある」と示唆しました。

◼️東京地裁(2022年11月30日)

・違憲:憲法24条2項に違反

3件目の東京1次訴訟判決では、札幌に続く違憲判決が言い渡されました。

ただし、札幌地裁と違い、東京では憲法24条2項違反だとしました。

池原桃子裁判長は判決で「同性愛者がパートナーと家族になるための法制度が存在しないことは『重大な脅威、障害』で、個人の尊厳を傷つけるものである」と指摘。

その状態が、憲法24条2項に違反するとしました。

その一方で、判決では「現在の法律が必ずしも憲法24条2項に違反すると断ずることはできない」とも述べられています。

これについて原告の弁護団は「東京地裁は、結婚が認められていない状態は違憲であるものの、その状態を解消するために、婚姻以外の方法もあり得るという考えを示しました。同性カップルを家族として認めていない現在の法律を『違憲とまで断ずることができない』という判断をしたのです」と説明しています。

ただし、弁護団によると「結婚が認められていない現在の状況が憲法24条2項に違反している」と明言している点で違憲判決だと言えます。

つまり、東京地裁は「婚姻を定めている法律が憲法に違反するわけではないけれども、何もない状態は違憲状態である」と判断したということになります。

◼️名古屋地裁(2023年5月30日)

・違憲:憲法14条1項、憲法24条2項に違反

4つ目となった名古屋地裁判決で、西村修裁判長はこれまでよりさらに踏みこんだ、憲法24条2項と憲法14条1項のいずれにも違反するという判決を言い渡しました。

名古屋地裁は憲法24条2項について「同性カップルは、重大な人格的利益を得られる法律婚の制度から一切排除されている」「その状況が放置されていることは、憲法24条2項に違反している」という判断を示しました。

また、憲法14条1項については、「同性愛者にとって、同性との結婚が認められていないというのは、結婚が認められないのと同じ意味。自ら選択できない性的指向を理由に異なる扱いをしていることなり、法の下の平等に反している」と判断しました。

大きな意味がある「違憲判決」

「同性婚」とも呼ばれる結婚の平等は、2001年にオランダで初めて認められ、これまでに34の国や地域に広がっています。

他の先進国に比べて日本が遅れをとっている中で、3つの違憲判断が示されたことは、性的マイノリティの人々の人権擁護において、大きな意味があるといえます。

さらに、これまでの判決では「多数派が認めないという理由で、少数派の人権が認められないということは許されない(札幌地裁)」「同性カップルが結婚制度を使えるようにしても、社会に対する具体的な不利益は想定し難い(名古屋地裁)」といった重要な判断も示されました。

結婚の平等の実現するに必要なのは、法律上同性カップルの結婚を認めるための法整備です。

札幌、大阪、東京では、1日も早い法整備をするよう国にプレッシャーをかけるといった理由から控訴しています(名古屋は検討中)。

6月8日に判決が言い渡される九州地裁に加え、東京ではトランスジェンダーやパンセクシュアルの当事者が原告になった2次訴訟も提起されており、今後の判決の行方が注目されています。

※この記事は判決とともに更新します

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