ミートフリー食品、何でできている?ヘルシーと言えるの?

ヴィーガン食や肉の代替品への注目が高まっているが、加工度が高いと指摘する報告もある。
ヴィーガンバーガー(イメージ画像)
alvarez via Getty Images
ヴィーガンバーガー(イメージ画像)

肉の代替品は今や、かつてないほど市場に多く出回っており、スーパーマーケットでも様々な種類の商品が入手できるようになった。

しかし、イギリスの独立研究機関Nuffield Council on Bioethicsは、一部の肉代替品は味付けのために多くの塩分を含んでいる、加工度が高いなどの点を指摘。消費者はこれらの食品を摂取することによって起こり得る健康への影響に気づいていない可能性があると警告している。

「代替肉の消費による長期的な健康への影響は確立されておらず、人々がこれらの食品をどのように食生活に取り入れているかもまだ分かっていない」と報告書で述べ、「これらの製品は通常、加工度が高く、新しい原料や生産過程のの使用に伴う健康上リスクを予測するのは困難だ」と加えた。

プラントベース情報サイトVegewelの「日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査」によると、現在の日本のヴィーガン率は2.2%、ベジタリアン率は3.8%だという。また、「意識して肉や魚などの動物性食品を減らすことはあるか?」の質問では19%が「ある」と答えている。

畜牛による気候変動への環境負荷などの認識も高まり、肉代替品を食事に取り入れる人も多いだろう。

しかし研究者は、これらの商品に「健康」を謳う言葉を使うことは、人々が同食品による健康への影響を見過ごすことにつながるのでは、と懸念する。

2019年の研究は、超加工食品は人の早死にリスクを高めると結論づけている。これは、それらの食品が添加物や水素添加油やエステル交換油などの、処理して改質されたオイルを使っているからとも考えられている。

では、ここ数年私たちが突然食べるようになった代替肉食品は、何でできているのだろうか?どうすればより健康的なミートフリーの選択ができるだろうか?

イギリスのVegan Societyの管理栄養士であるヘザー・ラッセル氏は、多くの代替肉は大豆、豆腐、マイコプロテイン(菌類由来のタンパク質)や生麩(なまふ)から作られている、とハフポストUK版に語った。

一般の食品同様、ヴィーガン食品もモノによっては「ご褒美」としてたまに食べるくらいに留めておく方が良いものもある、とラッセル氏は話す。しかし、もちろん、ヴィーガンやベジタリアン、フレキシタリアンの食生活が体に悪いとは限らない。

「食品表示をよく見て、添加されている脂肪分や塩分に注意してください。そして、缶詰のひよこ豆や赤レンズ豆、何も添加されていないピーナッツバターや無塩ナッツ、豆腐や乾燥タイプの大豆ミンチなど、健康的なタンパク源をたくさん選びましょう」と述べた。

「加工度が高い食品の摂取を制限することで、誰もが環境に貢献することができます。しかし、既製品のヴィーガン食は環境への影響が最も少なく、倫理的な観点からは明らかに優れています」

もしヴィーガン食生活を実践していたり、動物性食品の摂取を減らして代替肉を取り入れているならば、食品表示をしっかり見てから購入しよう。栄養素や添加物だけでなく、日本で販売されている代替肉には、乳製品や卵が使用されているものも多く、「ヴィーガン」や完全なる「植物性」とは限らない。しっかり商品を見極め、自分にも地球にもためになる選択をしたいものだ。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。