星が生まれる場所から、死ぬ姿まで。NASAウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた宇宙がすごい

NASAは「これまでで最も遠く、鮮明な宇宙の赤外線画像だ」としています
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NASA

星が誕生する場所から、最後の姿まで――NASA(アメリカ航空宇宙局)は7月12日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初めて撮影した、5枚の画像を公開した。

このうち1枚は、バイデン大統領が前日の11日にホワイトハウスで公開したものだが、残りの画像も、宇宙の息を呑むような美しさと神秘さを捉えている。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAとヨーロッパ宇宙機関、カナダ宇宙庁などが共同で開発を進めてきたもので、2021年12月に打ち上げられた。1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡の後継機と考えられている。

約100億ドル(約1兆3700億円)を費やしたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、異なる赤外線を使って宇宙を撮影していて、解像度はハッブル望遠鏡を上回る。NASAは「これまでで最も遠く、鮮明な宇宙の赤外線画像だ」としている。

公開されたの5枚の写真には、見たことのない宇宙の姿が写されている。

夜空のように渦巻く銀河団

銀河団「SMACS 0723」の画像には、何千もの銀河がうつっている
銀河団「SMACS 0723」の画像には、何千もの銀河がうつっている
NASA/ESA/CSA/STSCI

この写真は「SMACS 0723」と呼ばれる銀河団の46億年前の姿だ。何千もの銀河が、まるで夜空のように渦巻いている。

水や雲の存在を示すデータ

高温の巨大ガス惑星「WASP-96 b」の大気の特徴を明らかにするデータ
高温の巨大ガス惑星「WASP-96 b」の大気の特徴を明らかにするデータ
NASA

次に公開されたのは、高温の巨大ガス惑星「WASP-96b」の周りに、水や雲、もやが存在することを示すデータだ。

NASAは「ハッブル宇宙望遠鏡でも、水の存在を確認できていたが、ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた詳細は、生物が存在する可能性のある惑星を見つけるための大きな飛躍になる」と述べている。

一生を終える星の姿

左は近赤外線、右は中赤外線に包まれた「南のリング星雲」を捉えている
左は近赤外線、右は中赤外線に包まれた「南のリング星雲」を捉えている
NASA

これは、約2500光年離れた場所にある、惑星状星雲「NGC 3132」で、「南のリング星雲」とも呼ばれている。

写真は、一生を終えようとしている星が、何千年にもわたってガスやちりを放出する姿を捉えている。

「ステファンの5つ子」の宇宙のダンス

「ステファンの5つ子」はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた最大の画像で、月の直径5分の1に及ぶ
「ステファンの5つ子」はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた最大の画像で、月の直径5分の1に及ぶ
NASA

4枚目の写真は「ステファンの5つ子」と呼ばれる、5つの銀河を捉えたもので、このうち4つ銀河が、お互いに関わりを持っている。

NASAはこの画像について「初期の宇宙で、銀河の交わりが銀河系の進化を起こした可能性について、新たな知見を提供する」としている。

また、データ科学者のジョヴァンナ・ジャルディーノ氏は「重力によって引き起こされた宇宙のダンス」と表現している。

「ステファンの5つ子」は、1946年の映画『素晴らしき哉、人生!』で、天使がジョージ・ベイリーの祈りに応える場面で登場する。

星が生まれる場所

岩だらけの山のように見えるのは、イータカリーナ星雲にある育星場「NGC 3324」の端の部分だ
岩だらけの山のように見えるのは、イータカリーナ星雲にある育星場「NGC 3324」の端の部分だ
NASA

まるで、星を背景にした山と谷のように見える5枚目の画像は、イータカリーナ星雲にある、育星場(新しい星を形成する分子雲)「NGC 3324」の端を捉えたものだ。

NASAは「これまで確認できていなかった、星の誕生を明らかにした」としている。

尖っている部分の高さは、7光年あるという。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。