『万引き家族』、日本アカデミー賞で最優秀作品賞 是枝裕和監督「本当に幸せな職業」

是枝裕和監督の『万引き家族』が、日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しました。

2018年度に公開された映画の中から優秀作品を表彰する「第42回日本アカデミー賞」の授賞式が3月1日、東京・グランドプリンスホテル新高輪(品川)で開催された。

今回、優秀作品賞に選ばれたのは、「カメラを止めるな!」、「北の桜守」、「孤狼の血」、「空飛ぶタイヤ」、「万引き家族」の5作品。その中から、「万引き家族」が最優秀賞に選ばれた。

作品賞の他にも監督賞、脚本賞などで最優秀賞に輝いた是枝裕和監督。授賞式では、1日午前中に新宿区の小学校を訪問したエピソードに言及した。

「小学4〜6年生を前に、体育館で『監督って何をする仕事ですか?』と聞かれて。監督って何する仕事なんだろうというのを、子どもにわかるように説明するのが難しかった」

「監督の仕事って本当に曖昧で。何がいい監督かということは、一本ずつ映画を撮るたびに自分に問いかけざるを得なくて、きっとこれがずっと続いていくのだと思っています」

「スタッフが評価されて、キャストが評価されている中でここに立たせていただいて、本当に幸せな職業だな、と思っております」

「万引き家族」は、安藤サクラさんが主演女優賞、2018年9月に亡くなった樹木希林さんが助演女優賞で、それぞれ最優秀賞を受賞。あわせて8部門で最優秀賞に輝いた。

また、白石和彌監督の「孤狼の血」は4部門で最優秀賞を受賞。役所広司さんが最優秀主演男優賞、松坂桃李さんは最優秀助演男優賞を獲得した。

第42回日本アカデミー賞優秀賞の作品

主な部門の優秀賞および最優秀賞を受賞した作品、受賞者は以下の通り。

【優秀作品賞】

最優秀賞:「万引き家族」
「カメラを止めるな!」
「北の桜守」
「孤狼の血」
「空飛ぶタイヤ」

【優秀アニメーション作品賞】

最優秀賞:「未来のミライ」
「ドラゴンボール超 ブロリー」
「ペンギン・ハイウェイ」
「名探偵コナンゼロの執行人」
「若おかみは小学生!」

【優秀監督賞】

最優秀賞:是枝裕和 「万引き家族」
上田慎一郎 「カメラを止めるな!」
白石和彌 「孤狼の血」
滝田洋二郎 「北の桜守」
本木克英 「空飛ぶタイヤ」

【優秀脚本賞】

最優秀賞:是枝裕和 「万引き家族」
池上純哉 「孤狼の血」
上田慎一郎 「カメラを止めるな!」
那須真知子 「北の桜守」
林 民夫 「空飛ぶタイヤ」

【優秀主演男優賞】

最優秀賞:役所広司 「孤狼の血」
岡田准一 「散り椿」
舘ひろし 「終わった人」
濱津隆之 「カメラを止めるな!」
リリー・フランキー 「万引き家族」

【優秀主演女優賞】

最優秀賞:安藤サクラ 「万引き家族」
黒木華 「日々是好日」
篠原涼子 「人魚の眠る家」
松岡茉優 「勝手にふるえてろ」
吉永小百合 「北の桜守」

【優秀助演男優賞】

最優秀賞:松坂桃李 「孤狼の血」
岸部一徳 「北の桜守」
ディーン・フジオカ 「空飛ぶタイヤ」
西島秀俊 「散り椿」
二宮和也 「検察側の罪人」

【優秀助演女優賞】

最優秀賞:樹木希林 「日々是好日」、「万引き家族」
篠原涼子 「北の桜守」
深田恭子 「空飛ぶタイヤ」
真木よう子 「孤狼の血」
松岡茉優 「万引き家族」

【新人俳優賞】

上白石萌歌 「羊と鋼の森」
趣里 「生きてるだけで、愛。」
平手友梨奈 「響―HIBIKI―」
芳根京子 「累―かさね―」「散り椿」
伊藤健太郎 「コーヒーが冷めないうちに」
中川大志 「坂道のアポロン」「覚悟はいいかそこの女子。」
成田凌 「スマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」
吉沢亮 「リバーズ・エッジ」

【話題賞】(一般の映画ファンによる投票で決定)

作品部門 「カメラを止めるな!」
俳優部門 伊藤健太郎(「コーヒーが冷めないうちに」)

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