恋人がいるあなたも、いないあなたも素晴らしい。自分を幸せにできるのは自分だけ。

恋人や結婚は、あなたを幸せにしてくれるアイテムではない。いつだって自分を幸せにしてくれるのは、自分自身なのだーーー。
藤井美穂さん
藤井美穂さん

恋人がいることが「幸せ」で、そうじゃないと「私は幸せにはなれない」という価値観を、私はぶちこわしたい。

幸せは恋人の有無で決まりません。自分を幸せにしてあげられるのは基本的に自分だけです。

別に恋人があなたを幸せにする保証はないし、「恋人ができる=幸せになる」という保証もない。

なんてことを、結婚している私が言うと「結婚している人には、恋人のいない寂しさ、辛さはわからないわよ…」なんて声が聞こえてきそうだけど、とりあえず、読んでください。

カリフォルニアの離婚率は約60%。初婚では約80%

私は2年前にアメリカで結婚しました。相手はアメリカ人でした。結婚した後の周りから言われる「幸せでしょう」という声にうんざりしていました。

正直、結婚したばかりのその頃、ビザ関係の書類にストレスたまりまくり、モンスタールームメイトと一緒住んでいて、そいつからの嫌がらせ、挙句の引っ越しの準備と、結婚以外でも個人的なことでいろいろなことが起きていました。

振り返ってみると、ここ5年で最低の1年が私の新婚の年でした。

全然幸せじゃありませんでした。それはうちの夫が私を幸せにしなかったと非難してるわけではないのです。

例えば、仕事やお金のこと。うちの夫は私を幸せにするために働いているわけでも、給料もらってるわけでもありません。同じく私も夫を幸せにするための給料はもらっていません。相手のことを幸せにするのは義務でもないのに、なぜか結婚すると、相手から、周りから期待され、パートナーシップのハードルは高くなっていきます。

カリフォルニアの離婚率は60%。なかでも初婚に限っては約80%で、むしろ離婚することのほうが普通です。結婚して豹変する人もいるし、他人と生活をともにするのだって大変。

私は多くのルームメイトと暮らしてきたけれど、ハズレのルームメイトのほうが多いのだから、夫婦だって生活の不一致が例外なわけなく、どんな人でも他人と一緒にと暮らすというのは大変なことです。

私は片付けられない女なので夫は毎日怒っています(彼とは結婚前から同棲してたので、私が片付けられない女だと知っていたと思うけど)。

子供ができたら、新しい人間が生活の中に入ってくるのだから、今まで通りに行かなくなるに違いありません。今まで通りに行くほうが難しいでしょう。

Twitterなどで人生相談を受けていると…

藤井美穂さん
藤井美穂さん

私はTwitterで、よく人生相談を受けています。そうすると、結婚、未婚、恋人がいる、いないについての相談がとても多いことに気づかされます。

アメリカで結婚生活を送っている私だからこそ、「結婚=幸せ」ではないという認識を自分自身持ちたいし、多くの人にも伝えたいと思いました。ましてや恋人も、あなたを幸せにしてくれるアイテムではないのだということも。

ただ、これは日本に限った話ではありません。私が住むアメリカを含め、世の中の多くに「恋人至上主義」みたいな価値観が蔓延しています。恋人の有無で負け組、勝ち組といったり、恋人は何より優先されるものだという考え方があったり。

恋人と長く続かない人は「幸せになれない人」と言われたり。

たしかに、恋愛には良い面もあると思います。そこに「ある」だけで日常が映画のように鮮やかに写ります。しかし、それは恋愛に限ったことではないと、私は感じています。

私にとって仕事である演劇は、恋愛と近いです。他人を演じることによって、自分の知らなかった自分を引き出されたり、自分の知らない感情を起こしてくれたり。魔法みたいなもので私にとっては恋愛と代わるもの、またはそれ以上のパワーがあるものものだったりします。

皆さんも熱心にやってる仕事や、夢中になれる趣味があると思います。それをやっていて得られる達成感は素晴らしいものです。

また友だちも素敵なもの。自分の思ったことを息をするように感じ取ってくれる存在は魔法のようで心を満たしてくれます。

実は幸せとは私たちの生活に満ちているのに、周りの人がいう「恋愛こそすべて」という考え方を自分に当てはめて、苦しんでいる人もいるのではないでしょうか?

恋人がいても人生は“つらい”ともいえる

私は現代人の生き方は、恋愛や結婚を必要としない生き方に徐々にシフトしているのではないかと感じています。

離婚も以前ほど難しくなくなり、世界的には事実婚を選ぶカップルも増えてきました。以前ほど結婚の必要性もなくなってきたし、オープンリレーションシップなど付き合い方にも多様性が出てくるようになりました。

恋愛をして恋人を得て、その人と添い遂げることだけが幸せという概念はもう古くなってきたのです。

別に恋人がいなくても、人生は楽しいはずなのです。それ同時に恋人がいても、人生はつらいということがいえるのです。

なぜなら本当に自分を幸せにしてくれるのは恋人ではなく、自分自身だからです。

私は基本的に他人は変えられるものではないと思っています。

他人を変えることができないということは、他人もあなたを変えることはできません。ならば、パートナーがあなたに与えられる影響など微々たるものともいえるのではないでしょうか。恋人はあなたの夢や希望、要望をかなえるために存在しているわけではないのですから。

恋人には恋人の人生があり、その人生を充実させる権利がある。ハナから恋人はあなたのすべての幸せに関わることなどできないのです。

こんな書き方をしていると、「じゃあ、なんであなたは結婚しているんだ」と言われるかもしれません

もちろん幸せな時間はありますよ。

付き合ってすぐなんて、何しても楽しい!会いたくてあの人のことで頭が一杯になって、天にも昇る気持ちです。同棲している恋人が家で待っていてくれて、しんどい日も話せる相手がいることもそれだけで、心に温かいものが溢れてきますね。

でも、あなたは幸せな時間を1人で過ごすこともできます。

他人を気にせずマニアックな曲を入れるヒトカラとか、いいご飯屋さんに1人で行って、自分と絶品グルメの対話をじっくり味わうのも最高です。私はQUEENのライブに1人で行ってきたんですが、コンサートとはアーティストとの対話なんだと目が覚めるような体験でした。



寂しいのは「恋人がいないから」ではない

藤井美穂さん
藤井美穂さん

私は元彼にひどい振られ方をされ、その後、セックス依存症に陥ったことがあります。別にセックスがすごくしたいというわけではなかったのですが、恋人がいなくて寂しいという感情を埋めるために、出会い系アプリで会った違う男に毎晩会うような感じでした。

楽しい面もありましたが、とてつもない虚しさが終わってからこみ上げてきて、ひどく心を病んでいました。

当時は他のカリフォルニアの町からロサンゼルスに引っ越したばかりで、元恋人が親友のような状態。彼以外にろくに友だちもいなくて、本当に孤独だったんですね。

それから、一念発起して、精神を強くしようと心理学について学んだり、ジムに通ったり、瞑想を始めたりしました。1人で過ごす時間の大切さを学び、ついにティンダー(出会い系アプリ)に入り浸らなくても夜をうまく超えられるようになりました。

1人で過ごす時間の大切さを学んだことで、心が寂しいのは恋人がいないからではなくて、自分との向き合い方を知らなかったからだと気づきました。

ほどなくして、今の夫に出会いました。私にとって結婚とは長期ルームメイト契約みたいなもんで、映画と音楽の趣味の合うルームメイトのような夫はイザコザもありますが、心地いい暮らしを実現できています。

そんな暮らしが実現できているのは、相手に期待しないからです。私は結婚前、夫にあまり期待していませんでした。それは悪い意味ではなく、自分に責任を持ってお付き合いをしていたということです。

私たちは全く違う人生を歩んできました。全然違う人間ですし、どんな心理学者でも相手の心はほとんど読めないと言います。相手は、あなたが今夜何を食べたいか、アニバーサリーにはなんのプレゼントが欲しいかなんて、わかるはずがありません。

だから、相手がわかってくれる、なにか自分に得することをしてくれるとは思わずに付き合いを始めました。

私は彼と恋人になっても、自分が自分を幸せにするの精神は捨てずに、彼と程よく距離をとってお付き合いするのを続けました。彼も程よく距離が取れる人で、お互いに良い意味で、程よく、無関心でいられました。

恋愛が人生の中心になってしまうと、心は疲れるし、他のことに注ぐエネルギーを奪われるのかなと思います。

無関心でいる時間があるから、一緒にいるときに新しい発見ができる、それも楽しみの一つになっていきました。

恋人がいる、恋人があなたを愛してくれることがあなたの価値ではありません。

かつ、あなたの価値はあなたが決めるもので、恋人の有無で他人からジャッジされるべきではありません。

恋人がいるあなたも、恋人がいないあなたも素晴らしい存在にかわりはないのだから!

(編集:榊原すずみ)