「国家政権転覆罪」で突如拘束された中国の人権派弁護士、5年ぶりに妻子と再会を果たす

王全璋さんは、人権派弁護士らが一斉に拘束された「709事件」で消息を絶っていた。出所後も新型コロナウイルスを名目に当局の監視下に置かれていた。

2015年7月、中国で人権派弁護士らが一斉に拘束されたいわゆる「709事件」で、刑期を終え出所しながらも当局の監視下に置かれていた弁護士の王全璋(おう・ぜんしょう)さんが4月27日、ようやく家族の待つ北京の家へ戻った。

妻の李文足(り・ぶんそく)さんがTwitterで明らかにした。

■抗議続けた妻

王さんは中国で「邪教」と呼ばれる宗教「法輪功」学習者の弁護を引き受けるなどしてきた人権派の弁護士。2015年7月に人権派弁護士や人権活動家が一斉に拘束された「709事件」を境に消息を絶ち、のちに国家政権転覆罪で実刑判決を受けていた。

妻の李さんは国際社会に王さんの解放を訴えるとともに、自らの髪を剃るなどして当局に抗議を続けてきた。

王さんが釈放されたのは2020年4月5日。4年半にわたる刑期を終えたとして、山東省の刑務所からの出所が認められた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として山東省から出ることを許されず、自身の所有する部屋で当局の監視下に置かれていた。

李さんは当局の対応に対し「監獄から部屋に移しただけで、監禁は続けられている」と厳しく批判していた

王さんが北京へ戻ったのは4月27日。妻の李さんがTwitter上に一家三人が身を寄せ合う姿の写真を投稿し、「王全璋は今晩の7時51分家に戻りました!ずっと注目し、支えてくださった皆様に感謝します」とメッセージを綴った。

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