加藤勝信厚生労働相は5月19日午前(日本時間)、世界保健機関(WHO)の総会で演説し、新型コロナの封じ込めに成功している台湾がオブザーバー参加できなかったことに苦言を呈した。
加藤氏は「3点申し上げたい」と、緊急事態宣言の発出や緩和など、新型コロナウイルスをめぐる日本の取り組みなどを説明。最後に「WHOへの要望を申し上げる」として、WHOのこれまでの対応や感染源、感染拡大ルートなどについて「公平、独立かつ包括的な検証が必要」だと注文をつけた。
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さらに、「新型コロナウイルス感染症に対峙し、一人でも多くの命を救うためには、世界中のあらゆる情報・知見を総動員して対処することが重要」だと指摘。
「台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすべきという指摘もある」と台湾の地名を挙げて踏み込み、「特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことが、各国における、そして、世界全体の感染拡大防止という目的にかなう」と強調した。
WHO非加盟の台湾はWHO総会へのオブザーバー参加を希望していたが、加盟国の総意が必要となる。朝日新聞デジタルによると、台湾が参加できなかったのは、蔡英文政権の対中姿勢に蔡英文政権の対中姿勢に反発する中国の意向によるところが大きいとみられる。
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WHOの総会は、テレビ会議形式で行われ、公式サイトでライブ配信された。
加藤氏のスピーチは、なかなか始まらず、カメラが揺れたり音声がハウリングするなどトラブルがあった。
厚労省によると「初めて使う機材で、聞こえにくかったという指摘を受けた。WHOにスピーチの内容は共有した」という。