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2020年06月22日 07時50分 JST

就職活動が激変。勝ち抜くために知っておくべきポイントは?就活のプロに聞いた

今後「変わるのは就職活動だけではない」と指摘する吉井伯榮さん。新たに求められる人材と就活を乗り切るための5つのポイントについて聞いた。

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2021年卒業予定者の新卒採用面接が6月1日に正式に解禁された。

本来であれば、リクルートスーツを着た学生が街を闊歩し、就職活動が山場を迎える時期にもかかわらず、今年は新型コロナウイルスの影響で会社説明会や選考が行えず、従来とは大きく変化しようとしている。

 

一体どのように変わり、変化した就職活動を乗り切るために必要なこととは?

Fラン大学でも東大に勝てる 逆転の就活』の著者で、武蔵野学院大学で、実際に「就職率100%」のゼミを12年間率いてきた、吉井伯榮氏に聞いた。

吉井伯榮さん

どうなる? 今年の就職活動

このところ就職活動市場においては売り手市場が続いており、「今年も…」と言われていたところでのコロナ禍。一部では“氷河期再来”などと言われている。

そんな中、学生たちは今年の就職活動を、どのように受け止めているのだろうか。

 

「『この状況下で何とかやるしかない』と頭を切り替えた学生と、もうちょっと様子をみてみようと考えている学生と二極化している印象です。

3月1日には会社説明会が解禁になっていたはずが、ずれ込んでいるところが多く、不安を抱えている学生は多いでしょう」

 

多くの人が集まるような説明会や感染のリスクのある移動を伴う面接を行うことに躊躇する企業もある。まだ会社説明会や選考を延期している企業もある中、今年の就職活動はどうなっていくのか。

 

「多くの企業がコロナ感染を機にZOOMなどのオンラインシステムを積極的に取り入れています。現在は人事部も昔と比べて少人数になっています。就職活動への対応の効率化が求められ、コストをかけずに絞り込みを行うのが理想ですが、まさに今年は採用募集に関してオンライン化が一気に進みました。

実際、複数の企業にリサーチをしましたが、ほとんどが今年からZOOMなどを取り入れて効率的に面接を行っていると答えています。

ですから、新型コロナの影響で今年だけオンラインの就活が増えるということではなく、今後も継続して、オンラインが活用される可能性は極めて高いです。会社説明会もオンライン、面接も全てオンライン、最後に内定通知書を取り交わす時、はじめて対面するなんてことが起こってもおかしくないくらいの変革が、今就職活動の現場で起きているんです」

 

変わるのは就職活動だけではない、そんなオンライン化時代に活躍できる人材のタイプも大きく変わっていくだろうと吉井氏は指摘する。

 

「オンライン化が進むことによって、企業もこれまでの“みんなでミーティングをして、案件を決める”、“稟議書に判子をもらいながら仕事をすすめる”というやり方は減っていくと思います。今後は、会社外でのリモートワークが増え、欧米のように社員個人の仕事の枠と責任範囲を決めて仕事をするという企業が増えていくでしょうね。ですから、「指示待ち人間」ではなく、与えられた仕事を責任もって果たすことができる人材が優秀だとみなされるようになるでしょう。これまで会社の指示待ちで働いていた人たちにとっては厳しい時代になってくるでしょうね。

実際の事例として、あるベンチャー企業では、コロナ禍前は3割前後だったテレワークを今回の新型ウイルス感染拡大に合わせて100%にしたところ、売り上げは下がらず逆に30%も伸びた例もあります。それにより、「東京のオフィスはもういらないな・・・」ということになったようです。今回のような、コスト減、効率化などの時代の大きな変化に対応できる人材がこれから求められるようになっていくでしょう」

 

今年の就活乗り切るポイントは5つ 

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数年のうちに就職活動にもオンラインが導入されると予測はしていた、と語る吉井氏。ところが新型コロナという突然の事態によって、学生側の準備が整わないままオンラインによる就活が進んだ。

 

「大手データ会社の調べによると、現在、学生の6割強はスマートフォンを使ってZOOMなどでオンラインの面接を受けているようです。しかし、ここには様々な問題が起こっています。例えば、スマホの機能が充実してきたため、スマホがあればPCがなくても大丈夫だろうという思いから起こる問題です。スマホでは気軽すぎて、オンライン面接での緊張感が希薄になったり、甘く考えてしまったりすることです。実際、意識の低い子はスタバで面接を受けたりなんていうことも起きているんです。オンライン化に意識も機器も対応できていないのです。どのようにしてオンライン面接に臨めばいいのか学生自体もあまりわかっていないのです。」

 

だが、学生にメリットもあるという。地方の学生になると就活の交通費が標準的に13~19万円、交通費や宿泊費にかかると言われている。その経費がオンラインになればほぼ不要になるわけだから、経済的な負担は軽減されるだろう。

メリットもあるが、まだまだ対応できていない学生が多いというオンライン面接。

ではどのようにすればこれに勝ち抜くことができるのか。

吉井氏が5つのポイントを上げてくれた。

①まずは「慣れる」こと

企業から送られてきたオンライン面接のURLをクリックして画面に入るだけなら、だれでもできます。でも実際に、どんな画面でどんな機能があり、自分の顔や声がどのように相手に伝わるのかを知っているか知らないかは、面接を受ける前に自分で経験をしてみないとわかりません。

また、ZOOMなどのオンライン面接は通信環境などの影響で、急に声が聞こえなくなったり、画像がフリーズしたりといったトラブルも起きる。そんな時はどうすればいいのか、日ごろから使い慣れていないと対応できません。

普段LINEなどでやりとりをしている友人と、ときにZOOMでミーティングを開催したり、オンライン飲み会を開催したりして、まずは使い方に慣れておくことが最低限必要でしょう。

日ごろからオンライン面接を意識してきちんと練習しておけば、対面よりも気軽なオンライン面接であれば、緊張することも少なく、積み重ねた実力が発揮できるという学生も出てくるのではないでしょうか。

  

②オンライン面接でスマホはNG。できればパソコンで

手でスマホを持って、オンラインの面接を受けていると画面が安定せず、企業側にいい印象を与えられない可能性があります。できれば、パソコンを用意して面接を受けるようにしたいですね。例えば、パソコンであれば、自己紹介のポイントや自己PR、志望動機などを整理したメモを画面上に出しておいて、上手に“カンニング”しながら、面接を受けることも可能になります。このメモがあるだけで、精神的に落ち着いて話すことができるでしょう。ですが、スマホではそれが難しいです。ただ、どうしてもスマホで面接を受けざるをえないという人もいるでしょう。そういう場合には、スマホを固定する機器を用意して、画面が安定した状態を作ることも大切です。

 

③アイスブレイクからの切り替えはしっかりと!

私のリサーチの結果では、オンライン面接では最初の5分は「アイスブレイク」の時間とし、エントリーシートとは関係ない話題で学生の緊張をほぐし、その後、本格的な質問に入る企業が多いようです。

対面よりも気軽なオンラインの面接だからといって、アイスブレイクの面接官の柔らかい雰囲気をひきずったまま、最後まで面接を受けてしまうのは、失敗の元です。企業の罠にかかることになってしまいます。面接官の「気軽でいいですよ」という言葉を信用して、カジュアルになりすぎてはいけません。

 

表情は20%アップ、返答は短めに

テレビのワイプってありますよね。テレビをみているとワイプで表情が固まっている人と、ニコニコしている人と、うなずいている人といろんなタイプの人がいることに気づきます。みなさんは、どんなリアクションをしている人が好印象に映るでしょうか?

それと同じで、オンライン面接でも、ニコニコ笑っていたり、うなずいていたり、表情が柔らかい人は自然と好感度が上がります。「真面目が自分のアピールポイントだから、真面目な顔で」と表情一つ変えずに面接を受けていると、逆に、好感度が下がってしまう可能性もあるわけです。

オンライン面接では、自分の考えをコミットするのは15秒以内で行うことを意識しましょう。オンラインでは人の話が長く聞こえてしまう印象があるようです。1分も話していると、ダラダラ話しているように聞こえ、自分の考えをまとめられていない印象になってしまいます。対面での面接以上に、一つの返答を短く、ハキハキと喋ることを意識しましょう。

 

⑤録画機能を使って、客観的に分析・反省する

ZOOMなどのオンラインシステムには、録画機能がついています。友人との模擬面接練習時に、自分が映っている画面を録画して、後からその様子を客観的に見てみましょう。そして必ず録画したものを分析したり、反省をしたりして、次回に生かすようにしましょう。

オンラインだと、座り方、PC、スマホとの距離の取り方などで、面接官への見え方が変わります。③で述べた表情はもちろん、ネット環境によっては声がこもったり、小さくなったりして聞こえることがあるので、必ずチェックすえるようにしましょう。

ただ、この録画機能は諸刃の刃にもなります。企業側も必ず録画をして学生の選考に利用しています。当落線上にいる学生に対して、担当者全員で改めて見直して選考するなんてこともできてしまうわけです。

そういう意味では、オンラインの面接はその場の雰囲気や一発勝負が通じにくく、本当の実力が見られてしまうと言えるでしょう。

 

まだまだ機会と時間はある

この5つのポイントをしっかり押さえれば、急転直下で変化をしている今年の就職活動でも勝てると語る吉井氏。

とはいえ、まだ不安だよ…という学生もいるのではないだろうか。

最後に、そんな学生へのアドバイスを聞いた。

「通常、平年であれば、お盆くらいまでに採用活動が終わって10月初旬に内定式というのがこれまでの就職活動の流れでした。しかし今年は、それがだいぶずれ込むことが予想されます。約2か月はずれ込むでしょうね。

延期された会社説明会や採用募集に対して不安を感じているかもしれませんが、逆に言えば、まだまだ就職活動する機会、時間は残っているということです。ですから、今のうちに自分が就職したい業界の情報を徹底的に集めて、企業へアプローチしてほしいですね」。 

Amazon.co.jpより
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